こころ、安定を失くす4


でも、ここでまた出て行こうとすれば、嫌われてるとチナは思っちゃうだろうし…。


(どうしよう…)



途方に暮れてるオレをよそに、チナは枯草のベッドを掘って、寝床を作ってる。


「あ、あの…、チナ…?」


「よし。ほら、こっち来い」


そう言ってオレを促す。


「えっ、いいっ、オレ、ここでいいからっ」


「ばか。そこじゃ寒いだろが」


ぶんぶん首を振るオレの腕を両手で引っつかんで、ベッドに引き擦り込むと、チナはその隣で丸くなった。


「んじゃな、お休み」


欠伸をひとつして、目を閉じるチナ。


「お、おおおおおお休、み」


身体の半分にチナの温もりを感じて、もう何がなんだか…




(眠れるわけ、ないでしょう…?)




外は、嵐。




オレの心も身体も、嵐。


<第4話 END>


090326

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