こころ、安定を失くす4
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でも、ここでまた出て行こうとすれば、嫌われてるとチナは思っちゃうだろうし…。
(どうしよう…)
途方に暮れてるオレをよそに、チナは枯草のベッドを掘って、寝床を作ってる。
「あ、あの…、チナ…?」
「よし。ほら、こっち来い」
そう言ってオレを促す。
「えっ、いいっ、オレ、ここでいいからっ」
「ばか。そこじゃ寒いだろが」
ぶんぶん首を振るオレの腕を両手で引っつかんで、ベッドに引き擦り込むと、チナはその隣で丸くなった。
「んじゃな、お休み」
欠伸をひとつして、目を閉じるチナ。
「お、おおおおおお休、み」
身体の半分にチナの温もりを感じて、もう何がなんだか…
(眠れるわけ、ないでしょう…?)
外は、嵐。
オレの心も身体も、嵐。
<第4話 END>
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