友達じゃなくて、好き1


チナが好き。

チナのことを考えると、胸がどきどきして、ずきずきする。



ねぇ、チナは?

チナはオレのこと、どう思ってるのかな…。





「…はぁー…」


オレは大きく溜息をついた。もう何度目になるか、自分でもわからない。



チナに会いたい。

会いたいんだけど…

会えない。


…というか、会うとまずい、と思う。


(次、チナに会ったら、何するかわかんない…)


この間チナと会ってから、なんか調子が変だ。

妙にうきうきしたり、落ち込んだり、そわそわしたり…。
そんで身体の方も、ムズムズする感じがして熱っぽい。


いや、わかってる。わかっちゃいるんだ。自分が今、どういう状況かなんて…。



(チナをたべたい…)




でも、だめだ。せっかくこの前、チナがオレのこと好きって言ってくれたのに。

変なことしたら嫌われちゃうよ…。

せっかく…。



その時のことを思い出して、思わず頬が緩む。

夕日に負けないくらい真っ赤な顔で、「オレも好き」って…

好きって…




「えへ…えへへ〜…」


思わず声に出して笑ったら、



「カケル、何不気味に笑ってるの」



そう後から声を掛けられ、驚いて飛び上がった。

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