友達じゃなくて、好き3


今日は調度満月だった。普段ならとっくに熟睡してる時間だけど、最近は常習的に眠れないでいる。

で、またぐるぐる考えちゃうから、気分転換に森の中を徘徊してるワケだ。ほぼ毎日…。




(かなり怪しいよ、オレ…)





けれど今日は、ぼ〜と歩いてたらかなり遠くまで来てしまった。やばいと思ってちょっと慌てて引き返そうとしたら…。



「どうわああぁぁぁぁぁああああっ!?」





最初、何が起きたのか分からなかった。背中を思いっきりぶつけて、痛みに眉を顰める。それから目に入ったのは、まあるく切り取られた夜空と同じ様に丸いお月様。


「うそ……」


オレはようやく自分がどうなったのか理解した。つまり…

人間が仕掛けた落とし穴に落ちたのだ。





な、なんて間抜け…。

チナのこと、とやかく言えないな…。




しばらく自己嫌悪で呆然としてしまったが、いつまでもそうしているわけにもいかない。朝になれば人間がやってきて、捕まってしまう。

オレはなんとか穴の壁をよじ登ろうとした。だが、オレの背丈の三倍はある高さで、取っ掛かりも何もないから無理だった。
横穴を掘って土で埋めようかとも思ったが、地上に辿り着く前に、穴が崩れそうだ。



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