友達じゃなくて、好き4
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「ど、どうしよう…」
焦ってくる気持ちを、なんとか落ち着かせようと努力してみるが、ダメだ。どんどん悪い方に考えが行ってしまう。
どうしよう、どうしよう…。このままじゃ人間に捕まっちゃうよ。そしたらもう、チナに会えなくなっちゃう。うだうだ考えてないで会いに行けば良かった。嫌われてもいいから、もう一度会いたい。
会いたいよ…。
もう、半泣き状態で夜空を見上げてたら…。
「……なにやってんだ?」
そう言う声と同時に、見慣れた黒い影が夜空を切り抜いた。
一瞬、幻かと思う。
月の光が逆光になって顔は見えないが、この声は、この影は間違いなく…
「チナ……!?」
<3話 END>
090210← | → [ TOP ]