もしもしきこえる2
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「着いたぞ」
チナに案内されて着いた場所は、辺りの森を一望できる小高い丘だった。
「わぁ、すごい良い眺め」
「だろう」
自慢気にチナが笑う。チナはいつもあんまり笑わないから、それだけでオレは嬉しくなってしまう。
「んじゃ、ごはんにしよっか」
オレ達は、来る途中で見つけた木の実を食べることにした。
「チナ、オレと会ってても大丈夫なの?仲間に見つかったら、怒られない?」
そう食べながら問えば、チナは大丈夫、と応える。
「大人たちは今、忙しいから、オレのことなんかいいんだよ」
「忙しいって、なんかあるの?」
「ハツジョウキでコヅクリしてる」
「ぶっ」
オレは口の中の木の実を吹き出した。
「チナ…?」
意味分かって言ってんのかな…。
「なんだよ」
チナが不思議そうにオレを見る。
わかってない…。
いや意味はわかってるかもしれないが、具体的な内容は、絶対わかってない…。
「…なんでもないよ…」
乾いた笑いで応えるオレに、チナは、
「ヘンな鼠だな」
そう唇を尖らせた。← | → [ TOP ]