もしもしきこえる3
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「ふぁ〜、お腹いっぱい」
ごはんを食べ終わって、草の上に寝転がったオレにチナが、
「これから、どうする?昼寝でもするか?」
そう声をかける。オレは慌てて起き上がった。
「まっ、待って!」
チナは良く寝る。このままお昼寝なんかしちゃったら、そのまま夕方になっちゃう。
せっかく会ってるのに、それじゃもったいない。
「あ、あのさ。オレ、チナにお願いがあるんだ」
「なんだ?」
「あのさ、しっぽに触ってみてもいい?」
そう言うと、チナはちょっと困ったような顔をしてオレを見た。
「え…、なんで…」
「だってさ、オレ達のしっぽはこんな細いけど、チナのしっぽはすごくふわふわしててキレイなんだもん」
駄目?と上目遣いでお願いする。
チナはオレの“お願い”に弱い。
なんせチナはオレのこと、『恩人』だと思ってるから。
「ちょ、ちょっとだけだぞ…」
そう言ってチナは後を向いた。← | → [ TOP ]