もしもしきこえる4
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「ありがとう」
オレはそっとふわふわのしっぽの先端に触れてみた。するとチナの耳がぴくんっと跳ねる。
「へぇ、やっぱりちゃんと先っぽにも感覚があるんだ」
「あっ、当たり前だっ」
「ね、ちょっと動かしてみて?」
「ん…」
握ったしっぽの先端が、ぴこぴこと動く。
「もういいだろ…っ」
「ん〜、もう少し」
オレはチナのふさふさのしっぽを、何度も撫でた。
撫でる度に、チナの身体がぴくんってなるのがわかる。
手触りがすごく気持ちいいんだけど、やっぱチナは嫌なのかな…。
そう思って、これで最後って思うんだけど、なんでか中々やめらんない。
ほんとに、これで最後ってチナのしっぽの付け根に触ったら、
「んやぁっ」
ってチナが、聞いたこともないような声を上げた。オレは慌てて手を放した。
「ごっ、ごめんっ!ヤだった?
もしかして痛かった?」
オレがチナの顔を覗きこむと、チナはきつく眉を寄せて、頬を赤くしてた。
それを見たら、なんかオレもヘンな感じになって、顔が火照ってくる。
(な、何かな、これ…)
「ど、どうしたの、チナ。大丈夫?」
「だ、大丈夫だ…。も、いいか?」
「う、うん。ありがとね」
チナはオレに向き直ると、ブンブンとしっぽを2、3度大きく振った。
よかった、どっか痛くしたわけじゃないみたい。
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