もしもしきこえる4


「ありがとう」


オレはそっとふわふわのしっぽの先端に触れてみた。するとチナの耳がぴくんっと跳ねる。


「へぇ、やっぱりちゃんと先っぽにも感覚があるんだ」


「あっ、当たり前だっ」


「ね、ちょっと動かしてみて?」


「ん…」


握ったしっぽの先端が、ぴこぴこと動く。


「もういいだろ…っ」


「ん〜、もう少し」


オレはチナのふさふさのしっぽを、何度も撫でた。
撫でる度に、チナの身体がぴくんってなるのがわかる。
手触りがすごく気持ちいいんだけど、やっぱチナは嫌なのかな…。



そう思って、これで最後って思うんだけど、なんでか中々やめらんない。

ほんとに、これで最後ってチナのしっぽの付け根に触ったら、


「んやぁっ」


ってチナが、聞いたこともないような声を上げた。オレは慌てて手を放した。


「ごっ、ごめんっ!ヤだった?
もしかして痛かった?」


オレがチナの顔を覗きこむと、チナはきつく眉を寄せて、頬を赤くしてた。

それを見たら、なんかオレもヘンな感じになって、顔が火照ってくる。


(な、何かな、これ…)


「ど、どうしたの、チナ。大丈夫?」


「だ、大丈夫だ…。も、いいか?」


「う、うん。ありがとね」


チナはオレに向き直ると、ブンブンとしっぽを2、3度大きく振った。

よかった、どっか痛くしたわけじゃないみたい。



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