3


可哀想なくらい震えるライムはとても小さくて。
俺と体格も変わらないというのに子供のように小さく見えた。

だから手を伸ばしてしまった。
さっきのことを忘れたわけじゃないのに、ただ抱きしめようと、安心させようと本能が働いて伸びた手は、しかしライムに払われてしまった。

はたかれた箇所がじんわりと赤くなるのを見て、やっぱりライムに俺はもういらないのだと分かった。
俺に必要としてほしいとそう告げた幼かったあの彼はもう、いないのだ。
ずっと一人だった自分は身勝手にも彼にだけは拒んでほしくなかったのに。
なのにもう彼に俺は、いらないのだ。

ぽっかりと胸が空く。
酷い喪失感。
こんなことならライムを抱かなければよかった。
ただただ、ライムの側にいればよかった。
こんな邪な思い、抱かなければよかった。
そしたらライムは、俺の側で笑ってくれただろうか。
あの暖かい笑顔を俺にくれただろうか。
何も変わらず、俺の側で。
闇を抱えたまま、過去に繋がるきっかけに怯えながら、あの笑顔を、俺に。

…本当にそれで、いいのか。


払われた手を見ながら自分の思考に耽っていると、それをどう捉えたのかいきなりライムが服を脱ぎだした。
突然のことに動けないでいると彼はまたごめんなさいやうまくできるからと言い出した。

なんてことだ。
これでは一緒じゃないか。
慌てて暴れるライムを抑えつける。

俺達の関係はこんなにも変わってしまったのに、ライムは何も。
何も変われてない。
これからもこうして怯え続けるのか。
俺は彼にこうして一生怯え続けられるのか。
もう、笑い合うことは、ないのか。

…そんなの、絶対に死んでも嫌だ!

気付いたら言葉を遮るようにライムに口付けていた。



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