百合朝顔

「姉さん」
「えっ?(ガタッバササッ)
な、何かしらペチュニア」
「……また学校の課題?」
「え、えぇ、ちょっと貯まってて…」
「…ふぅん」

『ペチュ、公園に行きましょ!』
『チョコとストロベリーどっちが食べたい?』
『ペチュは幾何学苦手ね』
『ペチュ!そっちはダメよ!』
『転んじゃったの?
ホラ、泣かないの』

「ママがショッピングに行くって、あたしついてくから」
「あ、じゃあ私お留守番…」
「ッ留守番でもしてれば?!訳わかんない呪文なんか使って部屋汚さないでよね!!」
「あ、ペチュ…」
「じゃあね!(バンッ)」
「…あ…」

「(何よ、何よ何よ!)

…楽しそうに実験しちゃって、楽しそうに勉強しちゃって、楽しそうに魔法を使って。

(馬鹿げた事に夢中になって一生そんなイカれた世界で遊んでれば良いのよ!)

だいっきらい」



百合に走ったらよく判らないものができた
朝顔たん可愛いペロペロ


針赤毛

「マグルの学校に通ってた頃にさ、外国の映画を見た事があるんだ」

何処か消えそうな面持ちで光る緑色の目は、何度か見た事がある。辛かったマグルの生活の話とか、誤解によってホグワーツ中から冷ややかな目で見られた時期とか、敵う筈もない相手に立ち向かう瞬間とか、そういう時に僕の親友は、決まってそんな表情をしていた。

「難病だって診断された、みすぼらしいお爺さんがね、それまで避けていた問題とか、自分が死ぬまでにやらなきゃいけない事とかに、死にそうな顔で立ち向かって行くんだ」

弱々しく点灯するランプの光に照らされて、彼の顔のラインは朧げにユラユラ揺れていて、クィディッチの練習でクタクタに疲れていた僕は、今にも閉じてしまいそうな目を擦りながら、彼の言葉に耳をそばだてる。彼が感傷に浸って話をするなんて事は、そう何度もある事じゃなかったから。彼は見かけによらず、かなりのリアリストなのだ。

「でもね、彼は誰にも自分の病気の事を言えなかった。
自分の孤独を感じるだけで、自分の虚しさを感じるだけで、残されたほんのちょっとの時間で、そんな途方もない気持ちを解消する事なんて、そのお爺さんには出来なかったんだ」

死ぬとはどういう事なんだろう。自分が消えてしまうという事は、どういう事なんだろう。事実、幾つもの死線を潜り抜けて来た彼にとっては、それを考える程の余裕は無かった。命を繋ぐ事に貪欲な彼の事をたまに僕は、滅茶苦茶な嫉妬と絶望を抱えて見つめている。

「最後のシーンが面白くてね、そのお爺さんのお葬式で、お爺さんに関わった色んな人達が出て来て、彼の墓前で自分の死生観を語るんだ。怒ったり、茶化したり、泣いたり、そりゃもう見てるこっちが笑っちゃうくらい、身勝手にその最期を見届けるんだ。
中央でそれをじっと聴いているお爺さんの写真の、何処か嘲ったような視線に気付きもせずにね」

僕らにとっては、そんな事を考える時間なんて幾らでもあった。けれど結局そんな瞬間になってしまった時、やっぱり皆は彼の様に、もんどり打ってでも生を掴む為に奔走するのだ。

「まだそれを観た時、僕はそのお爺さんが何を伝えたかったのかサッパリわかんなかったんだけど、最近、ちょっとだけ気付いて来た」
「どんな、事?」

頬杖をつかれてずぶりと凹んだ枕に頬を摺り寄せて、彼は屈託なく笑う。ホグワーツを出る、それは前夜の事だった。
七年間も彼の隣に居た僕ですら、その笑いの意味が分からなかったのだから、きっとその望みは誰とも知らない神様によって、最優先に叶えられるのだろう。

「誰もがきっと、あのお爺さんと同じ最期を迎えるんだなって。
救ってもらえるハッピーエンドなんて、人間にはてんで似合わないじゃないか」



ちょっとわかり難い
針が観たのはとある日本の映画ということで


小王

二つの星の間には、小難しい計算をしなければ分からない位の、膨大な距離がある。いずれは天体の全てをその名で埋め尽くしてしまおうという、頭の悪いご先祖様は、何故こんな風習を遺してしまったのだろうと、顔すら知らない彼に悪態をつきたくなったのは、書物の丸い天空の図形を見た時だった。

「遠いなぁ」

僕の名前には裏側がある。「小さな王」が一体何を統率するのか。自分の存在すら小さく見せるその星に、何処か同族嫌悪を感じるのは馬鹿らしいかもしれない。
どうせなら、全てを焼き尽くす名を持つ彼の様に、その身さえも焼き焦がして、僕の知らない幸せを我が身に受けて、笑って死んで行きたいと思うのだ。


久々に書いたからやおいになった
何でうちの小王はこんなに可愛くないのか疑問すぎる


猫夢でヤンデレCDパロ

※猟奇描写有り
猫がヤンデレ









「こんばんは。
ご機嫌、いかがかな?
…冗談だ。元気そうで何よりだ。

ほら、見てみろ。今日はこんなに、月が綺麗だぞ。
…懐かしいな。最初に君と出会った日も、こんな綺麗な月の夜だった。
あれはきっと、運命の出逢いだったんだろう。

だってあの時、僕はあいつ等に虐められていて、校舎の裏で泣いていたんだぞ。
その時に、君は慰めてくれた。見ず知らずの僕を…
でも僕は恥ずかしくて顔を上げられなくて、君が飲み物を取りに行っている間に、逃げ出したんだ。
あの時は、急に居なくなって、すまなかったな。

…そして、あの日から半年後。学年が上がって最初の日、またあいつ等から虐められていた僕を、君は助けてくれたな。
一目見ただけで、あの時の子だってわかった。
君は…覚えて居なかったようだが。
でも、その時、運命って本当にあるんだと思ったんだ。
あの時、満足にお礼も言えなくて、ごめん。
…嬉しくて、何を言っていいか分からなかったんだ。
その後も、君は僕の為に研究を手伝ってくれたり、一緒に勉強してくれたり…僕は君の優しさに、何度も救われた。

──君のためなら何でも出来る。
あの時、そう思ったんだ。

でも。
君の優しさは。
僕だけに向けられたものじゃなかった。

…僕と付き合い始めてからも、君は他の男達にも優しくて。
君には、僕という恋人が居るのだから、…彼奴も、遠慮してくれると助かるのだが。
幾ら幼馴染だからって、毎日君と一緒に行動するなんて、そんなのおかしいじゃないか。
君も、彼奴は昔からの付き合いだからって言って、聞いてくれなかったし…
、彼奴がそばに居る間、僕は、ずっと寂しかった。
でも、君はそんな事、全然気付いてくれなかった。
…それが怖くて、辛くて。
いつか、君が彼奴の事を好きになってしまうんじゃないかと思って…

、だからある日、勇気を持ってある決断をした。
彼奴には、居なくなってもらおう、と。

…分かっている。僕のあの時の決断は、決して社会に認められるものではないことくらい。
けれど、僕にとっての社会、いや、世界の全ては、君だけなんだ。

──君の代わりは何処にも居ない。
──君の代わりは誰にもなれない。

君のために罪をかぶるというのなら、僕はどんな罪をかぶっても構わない。
君が僕を、僕だけを見つめてくれるなら、どんな事だってする。
いや、…「して来た」、だな。

君のおかげで、少し自信がついたんだ。
虐められていたころは、皆僕を笑うばかりで…
でも、最近は違うんだ。皆、僕にちょっかいをかけて来たりしないし、あいつ等からも声を掛けられて居ないし。
授業中も、休み時間も、静かに時を過ごせている。
ただ…一つ、残念なのは、
君と一緒に、学校に居られないということだが。
でも、部屋に戻れば、君はいつも待っていてくれる。
僕はそれが今、一番嬉しいんだ。

、すまない、水をやらねばならないな。

…花は良いものだな。
手をかければ、ちゃんと育って咲いてくれる。
この花は、君と僕が大事に育てているものだからな。きっと、綺麗な花が咲くと思うぞ。

、何の話を、していたんだったか。
…そうそう、彼奴の話だったな。

あの日の夜の事は、今も鮮明に覚えている。
校舎の裏庭に、彼奴を呼び出して。
一応、話し合いは持ったんだぞ。彼女は僕の恋人なのだから、距離を置いてくれないかと。
そうしたら彼奴は…僕の事を、泥棒猫と言うんだ。
彼奴は君の事を、ずっと前から好きだったんだな。
…しかし泥棒猫か…流行りのハーレクインでもあるまいし、随分古い表現だな。思わず笑ってしまったよ。
言葉は兎も角、彼奴の態度は頑なだったから。
何となく予想はついていたんだ。
──話し合いなんて、無駄なのだと。
だから僕は、彼奴を殺す事にしたんだ。

…しかし、滑稽なものだな。
彼奴、僕が出して来た「薬草学」のスコップを、叩く道具だと思っていたみたいだぞ。腕を上げて、頭を庇おうとするんだ。柔らかそうな腹がガラ空きで。
硬い石が混じっている事もある土を掘り返す道具なのだから、最初は突き刺すに決まっているじゃないか。
その後、彼奴の中身をちゃんと掘り返しておいたけどな。
今は多分、校庭の花壇の肥料になっていると思うぞ。

でも、一番困ったのは、君の弟君だったな。
何しろ君の弟だから、少しは大目に見てやらねばと、思っていたんだが、君が寮に帰らなくなってから、ずっと僕の事を観察していたみたいだぞ。
最後には、「お前が姉さんを監禁しているんだ」なんて言い出すんだから。
…監禁なんてしていないのにな。
君はただ、僕と一緒に居てくれるだけなのに。
…やはり、君を彼奴等から遠ざけるのは正解だった。
あんな弟と一緒に居たのでは、君は一生、囚われの身だ。

それでも、あまりにもしつこいから、この前、僕の部屋に招待したんだ。
…あぁ、そう言えば君も一緒に居たな。すまない。
あの時の彼、凄く…血眼だったな。他のルームメイトが居ない時に来てもらって助かった。本当に彼は、天井か裏から床下まで、すみからすみまで探そうとするんだ。
あんな野蛮な子を部屋に招いたとあっては、皆卒倒するだろうし。
、すまない。あんな奴でも、君の弟だものな。
…大丈夫、彼には手を出してはいないから。

でも…彼は、本当に君を探していたのだろうか?
目の前に君が居ても、全く気づかなかったものな。
その上、君を見て、「悪趣味」なんて言うんだから。
…あの時、思わず刺し殺してやろうかと思ってしまったよ。

でも、君の目の前で、そんな残酷な光景を見せる訳には行かないから、ちゃんと我慢したんだぞ。
多少姿形が変わったとはいえ、分からなくなるなんて。彼もお姉さん子だった割には、大した事無かったんだな。
──諦めて帰る時の、悔しそうな目。
滑稽を通り越して、可哀想だった。
彼はまだ、僕の事を疑って居るようだが、僕はもう気にしない。
だって、君はずっとここに居て、僕だけを見つめてくれているのだから。

その吸い込まれそうな黒い目で。
その、優しい笑顔で。

こんなに真っ白な顔になっても、僕は君の事をちゃんと愛せる。
彼奴等と僕とでは、君を愛する次元が違うんだ。

君と一緒に、花を育て咲かせるのは、僕の夢だったんだ。
君に根付いたこの花も、あと、二三日もすれば咲くと思う。
…ようやく、僕達の夢が叶うのだな。
君を養分に育ったこの花は、一体どんな美しい花を咲かせてくれるのだろう。本当に、楽しみだ。



…それじゃ、おやすみ。

──永遠に、
君を愛している。

──良い夢を、
見るんだぞ…」



第二弾の柏/木園子さんからトレス。虐められてるとかヒロインの一人に押され気味だとかもう何やかんや猫過ぎて大好きすぎるww

第一・第二で全て親世代でコンプリート妄想してるんだから、もうこれはヤンデレバイブル
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