猜忌(百合と鹿と猫)




「ホント君ってば粘着質だね」
「年中ストーカーの貴様にだけは言われたくないのだが」
「え、そこで普通淹れる?」
「フン、山羊の羊水の効能も知らぬとは浅知恵しかないのが丸分かりだな」
「へーじゃあ博識は泣き味噌クンは実は此処で三回逆に混ぜる事でこの効能が無効化されちゃうのも知ってるワケね」
「…教科書に書いてあるのだから当然やるべきだろう!」
「莫迦だなァ短時間で簡潔に終わらせるのが天才ってモノじゃないの?」
「───ちょっといいかしら?」
「む?」
「何だいリリー?!」

先刻まで貝の様に押し黙っていた想い人の言葉に、鍋を囲んで討議していた莫迦約二名は飼い主に尻尾を振る犬さながらに顔色を嬉々としたものに変える。

「夫婦喧嘩は余所でやりなさい」

憎み合っているのにどうしてこんなに似ているのだろうか。
自分が決して立ち入る事の出来ない領域に立っている両名に対してか、ちりちりと燻った感情は泣き声を上げた。



猜忌=妬みきらうこと。
(宿敵以上親友未満)



子犬みたいに百合についてく鹿と猫が書きたかった。犬と狼は呆れて見てる。
猫→百合←鹿万歳\(^O^)/



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