「ルイ、もう痛くない??」
授業が終わるとリリーがすぐに寄って来た。
やはり心配だったのだ。
「大丈夫よ。心配してくれてありがとう。」
本当はこっそり医務室へ行こうと思っていたのだが、こうも言ってしまうと行けない。
ズキズキという痛みを、ルイは拳を握った痛みで消し去った。
「…あ…羽ペン…」
大分地下牢教室から離れたとき、ルイは嫌なことに気付いてしまった。
リーマスが『僕の貸してあげるよ』と言ったが、ルイはまだ時間があるから、と遠慮した。
羽ペンは、机の中にあった。
「良か…」
「…ルイ??」
「……ッ!!?」
ルイはびっくりして振り返った。
その異常な反応に、セブルスは少し驚いた。
「…何だセブルスかぁ…
ごめん…ちょっと驚いちゃって…」
「いや…授業もないのに地下牢教室に入って行くのが見えたから…どうかしたのか??」
「羽ペン忘れちゃってて…あ、セブルス。あの時はありがと。」
「あの時??」
「学校が始まった日の時、寮の近くまで送ってくれたでしょう??
お礼言いたくって…」
「ああ、気にするな…ところで、その…怪我は…もう大丈夫なのか…??」
「うん、血は止まったから…」
「医務室には??」
「今から行こうと思ったけど、リリーが心配しちゃうし…」
「それなら…これをやる。」
「え、…わ!?」
突然放られた小瓶を、ルイは慌ててキャッチした。
中には淡い萌木色のクリームが入っている。
「…化膿の予防に良く効く薬だ。
塗ると良い。頭の怪我にも効果はあるから…」
「あ…ありがとう…」
ルイははにかみながらも笑った。
その笑顔に、セブルスはいささか顔を赤くした。
「じゃあみんな待ってるから…
お薬ありがとう。大事に使うね。」
「なくなったら…また言ってくれ。」
緩やかな表情でセブルスがそう言うと、ルイは目を細めてうなずいた。
しかしルイは不思議そうな表情を浮かべて、
「ねぇ、スリザリンの中に日記書いてる子っていたりする??」
と聞いてきたので、セブルスは少し驚いた。
「??…さぁ、ルームメイトにはいない。他の奴等も…日記を書く奴が居るとは聞いたことはない。」
「そう…」
ルイは肩を落とした。
だが、元々セブルスが他のスリザリン生に興味を向けているのはあまり見たことがない。当然だろうとルイは思った。
「何故だ??」
「う、うぅん!!別に大した意味じゃないから!!」
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