happy days | ナノ


□happy days 2
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「ねぇルイ。お兄さんはお元気??」
「うん。今ちょっと仕事が忙しいみたいだけど、とっても元気よ。」
「そう。でもルイは幸せ者よねぇ、
あんなに素敵なお兄さんがいるんだもの、羨ましいわ!!」

リリーのその言葉に、シリウスは思わず吹き出した。シリウスの向かい側に居たピーターは、シリウスを恨めしげに見たが、シリウスはそれを無視した。

「リリー、お前もしかしてそれって、ルイのシスコン兄貴のこと言ってんのか!!?」
「ルイのお兄さんをそんな風に言わないでちょうだい!!(…そりゃ確かにシスコンだけど…)とっても優秀だし、どっかの誰かさんみたいに女の子に怒鳴らないし悪口も言わないわよ!!貴方と一緒にしないでくれる!?」
「あれのどこがいいひとなんだよ?!俺は思いっきり睨まれたぞ!!」
「貴方が何か失礼なことでもしたんじゃないの??!!」
「そんなのしてねぇよ!!ルイの手握ったらいきなりつっかかって…!!」

あわててシリウスはバフッと口を手で押さえた。
だが、後ろから感じるどす黒いオーラは消えない。

「へぇ…??シリウス…君ルイにそんなことしたんだ…??」

リーマスの氣(?)にやられ、シリウスは真っ青になった。




胃がはち切れる位たくさん食べたあと、監督生に連れられて寮への大移動が始まった。
新入生から7年生までの全学年が、それぞれの寮へと一斉に移動する。もちろん、大広間の前の廊下は大混雑だ。

ルイは前を行くジェームズのクルクルとした黒い頭を目指して歩いていたのだが…

「あ…のっ…ちょっとっ…通し…て…」

見失ってしまった。しかも、どんどんグリフィンドール寮とは全く違う方向へと流されていく。
必死に人の流れに逆らってみるが、その行動の意味は皆無に近かった。
長い汽車の旅で、しかも新入生は緊張で、とにかくみんな疲れきっているのだ。
そりゃ早くベッドに潜り込みたいと思うのも当然だ。
ルイはすっかり意気消沈して、目尻が熱くなるのを感じていた。

「ッ…!!」

流れから吐き出されるように誰かに背中を押され、ルイは人がいない場所に突き飛ばされた。
尻餅を突き、とうとうポロリと溢れてきた涙を拭きながら、ルイは立ち上がろうとした。
だが今度は、前から伸びてきた細くも力強い腕に上に引っ張られた。



「…お前は…スリザリンの寮へ来て何をしようとしていたのだ??」



「セブルス…!!」

ルイは顔をみるみるうちに輝かせた。
大広間では、シリウスの件があって以来、一度も顔を合わせていなかったのだ。
目の前には、呆れ顔のセブルス・スネイプがいた。







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