happy days | ナノ


□happy days 59
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「ねぇ、ゲームをしない??」






空虚と混乱の果ての言葉。
否、それは唄の様にも聞こえた。
(不意に視界がふわりと浮いて、そこからは何故か自分の頭上が良く見えた。
然しルイは動揺しない。否…頭がぼんやりとして、今の自分の状況が未だ良く理解出来ていなかったのである。)

「ゲーム、かい??」
「そう、簡単なゲームよ。」

誘う様に囁いてやれば、彼は薔薇の花弁より赤い唇をニンマリと歪ませる。
言ってみろ…彼の笑みは許諾を示した。
(嗚呼、見た事があると呟いてみせる。
誰の耳にも入らないけれど、そして誰にも見えないけれど、ルイは何故か不意にぼろぼろと流れてきた涙を知っていた。)

「私は貴方を『幸せ』にする。
 貴方は私を『幸せ』にする。」
「メリットは??」
「うーん…只の遊びってのも、ねぇ。
じゃあ、こうしない??」

それは、運命にさえ。
定められていなかった不特定な出来事。
これを人は、
予定外の未来、とでも呼ぶのだろうか。
けれど、悔やむ事は何もない。



「決着が着いた時、敗者は謝るの。
勝者の前で、無様に土下座しながら。
『ごめんなさい謝ります私は貴方様の足元にも及ばない様な××です』って。
…それなら、腹の虫も収まるでしょ??」
「…一つ、ルールを良いかい??」
「ん??」
「…決して僕等は、お互いを好きにならないこと。

残酷にそう紡いだ唇は、蛇の舌の様に赤い。アリスとキールは思わず身構えたが、笑顔で大きく了承したルイに止められた。

「良いよ、面白そうだし。」
「…ちょっとかまを掛けたつもりだったけど、違った様だね。君はてっきり、僕に惚れてるのかと思ったんだけど。」
「あははは、とむも面白い事言うね??
大丈夫、そんなんじゃない。だって、」

分かるよね??という様に首を傾げ、ルイはリドルを注視する。やれやれとばかりに首を竦めて、彼は彼女と口を揃える。
(不思議と、ルイもそうしていた。
零れる涙は、止まらなかったけれど。)








「愛なんかじゃ、
『幸せ』になれない。」




全ては、此処から始まったのだ。
酷く稚拙な、『幸せ』を知る為の。
たわいもない、二人っきりの遊びが。
(ルイは再び、闇に飲まれた。)



TO BE COUNTINUE...



後書き…

ごめん…先に仕上げてもた…orz
ちょっくら短編書き上げる前に付け加えるかなとか考えた所為だよね、うん…
リドルとルイさんがかなり痛い子。
でもリドル世代楽しいいいいいい!!

××、ってのは、ただ入れたかった。
きっと差別用語。
ご想像にお任せします。

続きます!!!






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bkm





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