「せー…」
かかる体のエンジン音。
仕掛け紐はしっかりと。
追い掛けて来る足音を頭に入れて。
最善最良最高のタイミングを手に入れる。
『のッ!!!』
ハミングするのは仲間の証拠。
引き絞るのは仕掛け紐。
宙を空気を大気を舞って、
危なく汚くその他諸々、
ニュートン宜しく真っ逆様。
狙いは…ふんぞり返った上級生。
ぎゃーと悲鳴が届いた頃に、片手の箒に跨って、素早く世界をかっさらう!!
「
あっははははははははははは!!!何その顔!?やっばい腹痛い!!死ぬ!!!」
天から高らか大爆笑。
仕上げに降るのは『くしゃみ草』。
吸ったら最後、鼻がクーデターでも起こしたみたいに止まらない!!!
「…ルイ、中身見えるよぉ??」
「あ??いーのいーの!!
見えたって減るもんじゃなし!!」
「逞しいねぇー…」
そんな呑気な舞台上。
鋭く貫く金の弓。
「あ!!」
「んん??」
「どしたのアリス??」
「フィルチ!!貴様何を見てい…
あ、こら逃げるな!!この告げ口屋ー!!」
見れば嫌な目つきをした少年が、
薄暗い笑みを口元にたたえ、
そっくりな小汚い黒猫と一緒に、
廊下の角を曲がったばかりだった。
噂に名高い告げ口屋。
流石に足も脱兎の如く、だね。
「まぁまぁアリス、落ち着きなよぉ??」
「あんな性悪許せるものか…キーッ!!
同じ寮と思いたくもない!!!」
「…でぇ??どうするのルイ??
あと3分40秒で管理人、来ちゃうよぉ??」
のんびり返す、蛙好き。
「…おいルイ。今考えて居る策は激しく止めるが良い、後生だ…」
青ざめている、お姫様(♂)。
「んーとねぇ、
…ずらかるぞ、野郎共♪」
にやりと返さぬ訳がない。
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