happy days | ナノ


□happy days 53
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温、かい。
愛情という毛布でくるまれて居る様な心地に、シリウスは刹那頬を緩めた。
服越しに伝わって来る鼓動は酷くゆっくりで、二つのそれは静かに融合する。
嗚呼…温かい。
そのままどろどろに溶けきってしまいたい衝動を、然し一気に飛散したのは…



「よし、ブラック。
砕ける位に奥歯を噛み締めろ。」




ぞっとする程明朗で、爽やかな声。

「…はい?」






『ラカーナム・インフラマレイ』!!

高らかに響き渡った呪文で、シリウスの尻にボッという音と共に赤い炎が上がった。

「熱ァァァァァァァアッッ!!!」

シリウスは熱さに飛び上がって走り回った。
直火(笑)だから相当熱い。寧ろ痛い。
幸いにも傍にいたザリスが魔法で火を消してくれたので、大事には至らなかった。
ズボンの尻が半分焦げてしまったのは辛いが、尻ごと焼けるよりは全然マシだった。
ひりひりする尻を押さえてヒーヒーうずくまりながらも、シリウスは半分涙目でセブルスを精一杯睨みつけた。

「…ッッテメェェェ、スネイプ!!
良くもやりやがったな!!」
「良くも…??おいブラック、
それは僕の台詞だと思わないのか??」
「は、はァ…!!?何言っ…ギャァァァァ!!!
えええ笑顔で魔法乱発すんのやめろ!!」
「止めるな〜誰も止めるなよ〜??
今コイツ殺さないと僕色々と駄目になる。」
「何キャラ!!?」
「とりあえず死ねぃッ☆
「お、落ち着けスネイプ!!話せば分か…」
「…何で蛍すぐ死んでしまうん…??」
「節子ォォォォォ!!?」

人格崩壊を引き起こすセブルスは、ただ恐怖だった。然し、ぶつかった拍子に喰らってしまった今年度二回目のシリウスのキッスは、セブルスの胸に風穴サイズのトラウマを残した様だった。







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