happy days | ナノ


□happy days 51
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朝の日差しが、瞼の裏を擽った。
気だるげに寝返りを打って、布団の中から頭をもそっと出す。
ルイは上半身を起き上がらせて窓を見た。
雪が窓の格子に沿って、緩やかな白として張り付いている。

「……あ。」

寝相が悪かったのか、手の包帯が緩んで腕に纏わりついていた。
微かにそこの間から垣間見える赤い軌跡は、もう塞がりつつあった。
きゅ、と確かめる様にそれを握り直して、ルイはその包帯を静かに解き始めた。
久々に朝日を浴びる肌はどこか嬉しそうだった。包帯は丁寧に畳んだ。
ルイはベッドから出て、パジャマのまま部屋を出た。






「メェェェリィィイイ!!」

ジェームズの声が、朝一番の頭に鋭く響く。

「クリスマアアアッス!!!」
「うるせぇ!!」
「げぼぁ!!」

シリウスのキックが腹に命中し、ジェームズは激痛に悶絶した。
がすぐに復活する。

「ひどいじゃないかパッドフット!!
一応仮にも今日はクリスマス・イヴなんだよ!!?聖なる日なんだよォォ!!?」
「この世で最も邪悪な人種のお前が聖なる日なんぞほざくな!!」
「うわッ更に酷い!!
それならリーマスだってそうじゃん!!」
「何か戯言が聞こえた気がするんだけど、それは僕の気のせいかなぁ、ジェームズ??」
「ぎゃーす!!!」
「…あほだ…」

ジェームズの相変わらずの学習能力の無さに、シリウスはため息をつきながら、ジェームズがリーマスの制裁を食らうのをボーッと眺めていた。



色んな意味で大騒動だったホグズミード休暇もようやく終わり、ほとんどの寮生は自分の家に里帰りしている。
かくいう彼等の寮グリフィンドールもまた、数名の生徒を除いてほとんどが帰省しているので、談話室は最早彼等のテリトリーだった。

いつもは座れない特等席のフカフカしたソファを独り占めしたり、先輩の目を気にせず騒いだり出来るこの間を、極めて有効活用したいと言い出したのは紛れもないジェームズなのだが、シリウスやリーマスもさして反対する事はなく、寧ろ皆と一緒に居るのが楽しくて仕方ない様だった。
…で、何故彼等が朝っぱらからまるで女子高生の様にキャッキャと騒いでいるかというと。



「ぁそう!!!
今日は待ちに待った僕らだけのクリスマスパーティー!!万歳クリスマス!!万歳サンタ!!」
「お前サンタ崇めてなくね??」
「心の中で常にディスパイズしてるよ☆」
「卑下してるー!」

前々から予定していた、『ドキッ☆6人だけのクリスマスパーティー』を開催するからだったりする。

「僕の考えた素晴らしい計画のどこが不満なのさ!!」
「ネーミングのセンスがない。」
「それってどこに売ってる??」
「おーい。」
「とりあえず!!
今日はリリーもルイも誘ってるんだからもっとテンション上げようよ!!
色々お楽しみも準備してるから!!」
「…お楽しみ??
何だよそれ。」
「んー??むふふー☆」
「(…何か気持ち悪い…)」

いつもの事である。
変な笑い方で髪を梳き始めたジェームズに、シリウスはまたため息をついた。







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