happy days | ナノ


□happy days 41
280/497







ねぇ



見えないの



見えないの



雪が 邪魔をするの






ねぇ



見え ないの



見えないの






赤い雪が 邪魔をするの













『また 恐い夢を見たのかい??』



後ろから抱き締めて来る腕に、
ゆっくりと、体を預ける。



『もう 大丈夫だから』



その優しい悲しい声に、
刹那、時を忘れたくなる。



『夢なんて



不安定で不完全な人間が見るもの



弱い人間が見るもの



だから もう 大丈夫



もうすぐ 君は


















夢サエモ 見ナクナル


















…ハッ…ハッ…ハッ…ハッ…ハッ…

部屋には、夜の静寂に不似合いな息遣いが木霊していた。
目尻からは冷たい滴が零れ、寝ながら泣いていたのか、嫌にそこだけがヒリヒリと痛む。

「(…近く、なってる。)」

うなされていたのか、爆発したような癖のついた漆黒の髪をくしゃりと握り締める。
意識は嫌に冷静だった。流石に毎年となると慣れて来るものなのかと考えたが、それは敗北を認めているようで何と無く嫌だった。

「……だから…嫌い、なのに。」

ルイはポツリと呟いた。
到底今日は、寝られそうになかった。







[次へ#]
[*前へ]



[戻る]
[TOPへ]
bkm





×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -