「(…また、だ。)」
湧き出る泉の水の様に、ユラユラと立ち上る陽炎の様に。
それは突然、ルイの意識を支配する。
どこから聞こえてくるのかも、どうして聞こえてくるのかも、その声が誰かも分からないのに。
体を包むのは、泣きだしたくなるほどの既視感。
許されるのならこのままここを飛び出して、その声を追って遥か遠くまで行きたいと思うほどのノスタルジア。
空気と自分の体が溶け合ってしまいそうな感覚。
自分がどこにいるのかも、突然、分からなくなる。
ザワザワと蠢く雑踏に立っていても、最早自分の立っている足元さえ信じられなくなる。
自分を、遥か上から眺めている様な、幽体離脱にも似たそれは、自分を更に惨めにした。
毎年来ると、分かっているのに。
どうしてこんなにも、苦しむのだろう。
慣れる事はない痛みは、確実に。
自分の幸せを擦り減らして行く。
「……」
ルイは無言のまま、人込みを掻き分けた。
前を向くことはせず、ただただ前へと進み続けた。
長い前髪がサラリと音を立て、彼女の視界を阻んだ。
しかしその瞳には、少しばかりの闇色が潜んでいた。
TO BE CONTINUE...
後書き…
何か丁度キリがいい感じに終わったのでここいらで斬ります(笑)
ムラありすぎだろどう見ても。
この章はクリスマスまでの猶予期間なのでジャンジャン飛ばして行きたいと思いま!!!
ちなみに今は11月の中旬です!!!
どんなに季節感が無かろうが11月です!!
季節感のある文章ってやっぱ書けない…!!
…はい、精進します…(泣)
何か嫌な予感しますねー…
あ、グレバの話し方とかについては突っ込まんで下さい。本当捏造も良いとこなんで。
でも何か駆け出しでネタバレしてる様なモンだよ…相変わらずだな私…orz
前がギャグだったのでもいっちょバンバンなシリアスを書きたいと思ってます。
続きます!!
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