happy days | ナノ


□happy days 38-B
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6人は部屋の真ん中で円になっていた。
手には今しがた完成した解毒剤をそれぞれ持っていた。

「じゃ、準備は良い??」
「お、おぅ。」
「オッケー☆」
「だ、大丈夫かな…」
「そんな事言わないでよピーター…」
「…ていうか、凄い色だね…」
「…仕方ないだろう。原料が原料だ。」

リリーもといセブルスはそう言いつつもチラリとシリウスもといルイを見た。
が、彼からの視線に気付いたシリウスもといルイは何故か顔を赤くしてプイと顔を背けた。
何となくリリーもといセブルスはショックを受けた。

「…おい、ルーピン。」
「何だいスネイプ☆」
「…貴様、一体僕の体で何をした??」
「えっとねぇ………何も無いよ☆」
「(絶対何かしやがった。)」
「まぁまぁ、所謂人生のスパイスだよ!!(満面の笑み)」
「貴様が言うと冗談に聞こえんぞ。」

その後セブルスもといリーマスがまた何か言ったが『せーので行くよー』というピーターもといジェームズの声でそれは掻き消された。
リリーもといセブルスは再度リーマスのほうを見た。
何故だかは知らないが、酷くご機嫌の様だった。



ジェームズがスゥッと息を吸う。



「せーのっ!!」



皆一斉にグラスに口をつけた。





((((((ごっきゅんっ))))))







間。






「ぐっ!!」
「ごふっ!!」
「ぶっ!!」
「ぎゅおっ!!」
「うっ!!」
「ふごっ!!」
「んぐっ!!」


(誰がどのセリフかはご想像にお任せします)



喉の焼け付く様な刺激と舌が千切れそうな不味さと戦いながらも、6人は結局その3秒後に昏倒した。









ゆっくりと目を開ける。
突然飛び込んでくる色の嵐に光彩がキンキンと痛んだ。
頭は相変わらず痛い。あの時と同じだ。

「ッてて…ッ!!!?」

口から出る声に驚きと懐かしさが湧き上がる。
慌てて立ち上がり窓に顔を映せば、そこにあるのは間違いなく、きつそうな顔立ちをした自分自身だった。

感動のあまり口をパクパクさせていると、やがて周りに居たジェームズやらリリーやらもムクリと体を起こした。
お互いに指差しあえば、たちまち向こうの顔にも歓喜の笑顔が満ち溢れる。

元に、戻った。
6人の胸には、それだけが鈴の音のように木霊した。






「何か…元に戻るのは呆気なかったわよねぇ…」
「でも大体そんなものなんじゃねぇの??」
「……………」
「ど、どうしたの??ジェームズ…」
「…一人称『僕』のリリー…(ボソリ)」
「ちょっとそこの2人。
この変態の眼鏡かち割りなさい。
「俺等かよ!!」
「アハハ寧ろ殺っちゃう??
「こっち怖ェェェ!!」

この頃無闇やたらとリーマスがジェームズ暗殺計画を立てている気がする…シリウスは背筋にゾクリと鳥肌が立つのを感じた。

「そういえば…セブルス、残った薬どうするの??」
「あぁ…元々先生に提出するつもりで余分に作っていたものだ。後で提出しに行く。」
「あらそう…
じゃあルイ、一緒に行ってあげて??」
「へ!!?」
「なッ…!!?」
「だって一人じゃ持って行けないでしょ??
向こうの男共にはグリフィンドールの人達に配ってもらわなきゃいけないし。
別にルイじゃなくても良いんだけど、男共と貴方が折り合いが良いとは思えないしね。」
「……ッしかし…」

セブルスがそう反論しかけた時だった。

「…ッわ、たし…ッ!!」

突然、ルイが振り絞る様な声で叫んだ。
リリーは驚いてルイをまじまじと見つめた。
ルイはローブの裾をギュッと握り締めている。
その場に居た全員が、ルイの次の言葉を待った。

「…ッ私が、グリフィンドールの方に、ついて、く…ッ」
「…え…」
「で、でもルイッ…」
「さ、先行ってるからッ!!」
「ちょッ…オイ!!」

シリウスの慌てた声も聞かず、ルイはそのまま部屋を飛び出した。
部屋はあまりの状況の変化に、暫し呆然としていた。

「何、なんだよ…??」
「しかもルイ、薬持ってってないし。」
「よっぽど寮に帰りたかったんじゃない??」
「け、結局誰がセブルスと行くの??」
「うーん、やっぱりここはリリーじゃない??」
「な、何勝手に…ッ!!」
「じゃー僕も先行ってるからー!!」
「ッオ、オイ、ジェームズ!!」

その場の雰囲気に居た堪れなくなったのか、ジェームズは一目散にルイの後を追い、シリウスもそれを追った。
その後を、少しためらいながらもピーターが追い、部屋にはやがて呆然としたリリーとセブルスと、依然としてにこにこしているリーマスだけが残った。

「…どうしちゃったのかしら??ルイ…」

心配げに呟くリリーの傍らで、やはりお前が元凶かとばかりにセブルスがリーマスをありったけの怒りで睨みつけた。

「…さぁ、ね。
そろそろ、自覚でもしてきたんじゃないの??」

そう呟くリーマスは、酷く愉快そうだった。
その表情は、やっと始まったゲームにどうやって勝とうかと画策する策士の様だった。






胸に咲いた この花は



何と言う名前なのだろう



ただ1つ 分かっているのは



この花はやがて



大きくなり そして



天まで覆うほどの花を咲かせる









それまでは おやすみ



僕等の胸に咲いた 小さな花よ



TO BE COUNTINUE...


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