happy days | ナノ


□happy days 27
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施術室の扉が閉まった。
シリウスは泣き崩れた。
しばらくの間、悲鳴の様な声で泣き叫び、突然、悲しみに耐えきれずに気を失った。









わたしを、わすれないでください。



わたしを、けさないでください。



あなたのなかのわたしを、



なかったものに、しないでください。






《コレヨリ、記憶洗浄及ビ修正ヲ行イマス》











貴方が、私を見つけてくれるまで、



私は、待ち続けるから。



私を忘れないでくれた貴方を、














『オブリビエイト』


























私は、ずっと、待ってるから。


























はた、はたはた。

ジェームズの目から、涙が落ちた。
涙は下に敷いてある絨毯に落ちて、黒ずんだ染みとなって消えた。
ハシバミ色の目を見開いたまま、今しがたペンシーブから現実世界へ帰って来た彼は、リーマスが今まで見た事もない位に、憔悴していた。

「…辛い、記憶じゃったな。
他人が見るには、余りにも冷たい…」

ペンシーブをキャビネット棚に戻しながら、ダンブルドアが呟いた。彼の皺1つ1つに、悲しみが宿っている様だった。

そう、あれは余りにも、冷たかった。
あれは余りにも、重すぎた。
人として普通の人生を生きて行くには、
余りにも、残酷すぎた。

「…ルイ・ホワティエは良く、マダム・ポンフリーに精神安定剤を貰いに来ておった。
今はもう来なくなったが、今のメンバーに囲まれる以前は、まるで今にも消えてしまいそうな顔をした子じゃったよ。」

そう、だから記憶に残らなかった。
あんなにも存在感が薄い人間など、いるはずもないのに。
最初に気付くべきだったのだ。
毎日毎日、今にも消えてしまいそうな表情を浮かべて人混みの中にいた、彼女に。
ふと、忘れていた記憶が蘇る。



『リーマスは、自分が突然皆から忘れられちゃったら、どうする???』『え…』
『皆リーマスの事忘れちゃったら???』
『…うーん…まず、皆に自己紹介かな。
忘れられても、また覚えて貰えばいいし。』
『………………………………』
『………ルイ???
どうか、したの??
な、何か僕変な事言った??
ルイ、どうして、泣いてるの…????』








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