「…え…??」
聞き慣れないはずの名前。
しかし、リーマスの耳は何故か酷くその名前に既視感を感じていた。
シンシア、シンシア、シンシア。
どこか懐かしい響きのその名前。
リーマスは脳内で何度もそれを反復した。
シンシア、シンシア、シンシア、シンシア、シンシア…
うわ言の様に繰り返した。
「シンシア……」
ポツリと唇から漏れた。
するとどこからか、ニャーンという鳴き声が聞こえた。
横を見れば、太陽の色をしたオレンジ色の猫が、尻尾をユラユラと揺らしながら座っていた。
『シンシア』
「シン…シア…??」
驚いた様に名前を呼べば、その猫はまたニャーンと鳴いて、ゴロゴロと喉を鳴らしながら足にすり寄ってきた。
首元には、キラキラ綺麗に輝く金色のネームプレート。
良く良く見れば、オレンジ色の毛なみに紛れ、薄いアイボリーのリボンで首輪をされている。
『シンシア』
頭の中で響くのは、あの声。
リーマスは猫を抱き抱え、ネームプレートをくるりと反転させた。
魔法がかかっていたのだろう、滑らかな表面に、綺麗な筆記体が描かれて行く。
「───……ッ!!!」
それは、
消えてしまった、あの少女の筆跡。
『
親愛なる私の大切な友 シンシアへ
愛をこめて
SIENA・R
』
「…シエナ…??」
最早、誰も呼ぶはずのない彼女の名前。
そんな彼女の猫の名前を、ルイは知っている。
何故??どうして??
記憶は全て、消えたはずなのに──…
『数占い学』の時間中、リーマスの居ない空席の隣で、ルイは空を見ていた。
まるで、空の彼方にいる何かを探している様な、悲しげな目で、空を流れて行く雲を見ていた。
TO BE COUNTINUE…
後書き…
テスト期間中に何してんだ自分…
何か話のツジツマが合ってない様な…
頑張って謎を解決して行きます。
何だか雲行きが怪しいです…
セブ出番ねぇなぁ…
続きます!!
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