happy days | ナノ


□happy days 11
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「あ。」

シエナが席を立った。
名残惜しそうに手を振るピーターに、ルイはこっそり近付いて行った。

「…ピーター!!」
「わッ!!…え、ルイ!!?
いつから図書室にいたの!!?」
「かなり前から。ねぇ、さっきの女の子と仲良しなの??」
「ひぇ!!?」

ピーターは真っ赤になる。
ルイはクスクス笑いながらピーターの顔を見物していた。

「来、来たなら来たって一声かけてくれれば良かったのに…!!」
「かけづらかったの!!それに邪魔しちゃいけないと思って…」
「邪、邪魔だなんて誰もッ……!!」

ピーターは驚くやら恥ずかしいやらで、ピンク色に近い顔を青くしたり赤くしたりしている。
そんな彼を見ながら笑うルイはとても楽しそうだ。
ルイが人をからかう所なんて随分と貴重だ…とセブルスは一人そう思った。

ルイだって女の子なのだ。
女の子というのは、恋愛話が転がっていたら、きっと気になって気になって仕方ないのだ、と、ルシウス・マルフォイが自分に講義していたのを思い出し、これは必要な知識なのだろうかと疑問に思っていた自分に叱責をかました。
前言撤回。とりあえずルシウス・マルフォイの読みは当たっていた様だった。



「シエナとは図書室で会ったんだ。」

さっきの抵抗ぶりはどこへやら、ルイの『ジェームズ達には内緒にする』という言葉ですっかり警戒心をなくし(それが一番気になっていた様だった)、ピーターは夢でも見るかのような蕩けた表情で、ルイとセブルスに自分と彼女との出会いを語りだした。
内心何が悲しくてピーターの恋愛話を聞かなきゃいけないんだとセブルスは思ったが、ルイが興味深々だったので帰るに帰れなかった。

「僕が本を探してる時に、一緒に探してくれたんだ。
それで色々話してたら、シエナが『薬草学』が苦手だって言い出したんだよ。
ほ、ほら、一応僕『薬草学』位なら何とか人に教えられるし、それにシエナは『魔法薬学』が得意だから、僕が彼女に『薬草学』を教えて、お返しに彼女が僕に『魔法薬学』を教えるって事になって……
グ、グリフィンドールとレイブンクローってあんまり会わないだろう??
それにシエナってほら、可愛いって評判じゃないか。だから図書室位でしか会えなくって…」
「ここで密会してたってこと??」

ルイの愉快げな声に、ピーターはウッと言葉に詰まった。セブルスは何だかピーターが可哀想になり、身を乗り出し始めていたルイのローブを掴み、元の席に引き戻した。
ルイはキョトンとした顔でセブルスを見たが、これ以上いじめるな、というセブルスの真情は彼女には伝わらなかった。

「で、でね、ルイに相談なんだけど…」

「私??」

自分を指差し目をパチクリさせた。
ピーターは赤ら顔のままコクリと頷き、今まで以上に声のトーンを落とす。

「ク、クィディッチの次って言ったら、ホグズミード休暇だろう??
もし彼女が良かったら、ぼ、僕…そ…その……ホ、ホグズミードに…」

「…シエナを誘う、の??」

今や熟れたトマトの様に真っ赤になり、しきりに首を縦に振り続けるピーター。
ルイはしばらく状況を把握するため放心していたが、やがてセブルスをドキッとさせる位の──それは反則だルイ!!とセブルスは心の中で叫んだ──素晴らしい笑顔を顔中に浮かべた。

「デートね!!デートをするのね!!わあ…凄いわピーター!!
頑張って!!私達も何か出来る限り応援するから!!」

さっきのリリー同様、にっこり可愛らしく微笑んで───セブルスから見ればルイの笑顔の方が百倍可憐だ───ギュッとピーターの手を握りながらルイは熱っぽくそう伝えた。
ピーターはそれだけで、顔を薔薇色に染めて『ありがとう』と感謝の言葉を返した。



「(まぁ…ルイが決めたのならいいが…)」



それに自分にはあまり関係のないこと……



「……??」



いや…あった気がする。
ルイのさっきの言葉を復唱してみる。



『私も何か出来る限り応援するわ!!』



……達???



背中に嫌な汗が流れていく。

私という代名詞の後ろに達という複数形を表すこの言葉が来たという事は、つまりルイとピーター・ペティグリューの二人以外にも、この色恋沙汰の味方をする者が『少なからず一人』はいるという事になる。

果たしてその『少なからず一人』とは……



何となく分かっていた。
けれど、まさかとは思っていた。



セブルスは頭を抱え、顔を覆った指の隙間からチラリとルイを盗み見た。その視線に、今までピーターと手を取り合って色々と画策していたルイが気づき、刹那、二人の目が合った。
ルイはまた、あのドキッとする位の笑顔をセブルスに向ける。
胸がこのまま焼け焦げてしまわないか心配になりながらも、セブルスは溜息をつかざるをえなかった。



TO BE COUNITED…

後書き…

はい。また変な所でブチ切ります
『続けようか続けようか…いややっぱやめよ』がこの頃嫌に多い気もします。
精進します。

新章スタートです。
多分また暗くなります(断言)
最初よりは明るくなります
リリーのルイLOVE度が上がって、ジェームズの無敵度が上がって、シリウスの隠れ変態度が上がって、リーマスの魔王度が上がると思います。

多分各章ごとに絶対オリキャラ入ってまうね
また一人新しいの出ちゃったし…
シエナたんもこの章が終わったら描こうかなと思ってます。
ハロウィンは描きたいよな描かなくてもいいよな…
とりあえずこの章は早く終わらせたいですね。

まだまだ続きます。






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bkm





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