初めて逢った夢を見た。
いつもと同じ様に、
くそ暑い中無理矢理礼服を着せられて、
ムカつく親に半場引きずられる様にして、
連れて行かれた黒白の館。
そこには、
褐色の瞳を持った優しげな顔をした男と、
漆黒のフワフワした髪を持った、
儚いという印象が強い、
綺麗な女の人がいた。
いつも見る媚を売る奴らとは、
全然格が違う感じがして、
思わず笑顔を返せた。
彼等はヒマワリが咲き乱れる庭を見せてくれた。
眩しい位のヒマワリの色。
ここに来て良かったと思った。
『 !!』
館の当主の男が誰かの名前を呼んだ。
すると、
真っ白な帽子が、
ピョコンとヒマワリの群れから現れた。
『シリウス君。紹介するよ。
この子は、僕達の娘。
ルイ・ホワティエだ。』
それは、けだるい夏の日の初恋…
ブラッジャーが彼の頬を霞めたのに、思わずルイは悲鳴をのんだ。
だがシリウスはそれをものともせずに、キーパー役を努めるジェームズのガードをヒラリと避け、綺麗に赤い球を三つの輪の1つに投げ入れた。
「「ナイス・シュート!!」」
リリーとルイは手を取り合って、声を揃えて叫んだ。
今ルイ達は、シリウスのクィディッチの練習風景を見学していた。
ホグズミード休暇の前日に、グリフィンドール対スリザリンという宿命の対決が控えている。
だが、肩を負傷したチェイサーの代わりに何と、シリウスが選手として出場することになったらしい。
クィディッチに関してはあまり詳しくはないルイにも、シリウスが任されたその役目に、何かとても偉大なものを感じてしまった。
「流石シリウス!!この調子なら絶対に勝てるわ!!
ジェームズじゃなくてシリウスがシーカーでも充分イケるんじゃない??」
リリーがはしゃぎながら言った。
その瞬間、ジェームズの顔が一瞬で引きつり、少し離れた所でリーマスとルイから絶賛の言葉を受けていたシリウスの腕を無理矢理引っ張り、ズルズルと練習場へと戻って行った。
「さぁさぁシリウス!!選手としてはまだ練習が足りないよ!!
クィディッチのクの字を、僕がたっっぷりと叩き込んでやる!!」
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