今年も今日一日で終わり、来年には新しい年を迎える。 皆口々に"来年は、いい年になりますように…"と、呪文のように唱える。 今、貴女の傍には誰がいますか? 誰もがこう思いますよね、愛する人と年を越す… 『頂きま―す♪』 テーブルの上に乗っている豪華に盛られている御節料理、年起こすのに欠かせない"年越しそば"。 DOLLは、自分で作った料理に箸を伸ばそうとした時、目の前にいた彼−赤屍蔵人、通称:Dr.ジャッカル。 赤:##NAME1#さん、その前に‥。 『あはは‥はぁ、すみません。』 箸の持っていない手で後頭部に添えると頭を下げ、赤屍に謝ったDOLLは、しょんぼりしながら箸を置いた。 赤:では… 《明けまして、おめでとうございます!》 声をそろえると二人共一礼をし、「今年もよろしくお願いします。赤屍さん。」にこやかにそう告げると赤屍も同じ言葉を返した。 赤:では、頂きましょうか? 『わぁ〜い!頂きま〜す♪』 箸を持ち両手を合わせながら行儀良く挨拶をすると、DOLLが作った料理を二人で食べ始めた。 テレビの紅白歌合戦やお笑いの番組を見ていたDOLLが"フッ"何か思い出したのか、口の中いっぱいに食べ物を口に含みながら赤屍に話掛けた。 何か言いたそうにしていたDOLLを見て赤屍は、ニコッと笑いかける。 赤:しゃべる時は、口の中の物を片付けてからにして下さいね。 赤屍に言われた通りに口の中の物を片付け「初詣に行きましょう。いまの時間なら人もそんなにいないと思うんですよ。」と、語りだしたDOLL。 片手で顎を掴み少し考える赤屍。 赤:そうですね。‥行きましょうか。 身を乗り出し「じゃ‥」と、笑みを溢しながら続けて言葉を言おうとしたDOLLに赤屍は、テーブルの上を指差した。 赤:その前に食べた物を片付けてからです。 『ほぁい…』 目の端から涙がホロリと見せたDOLLに赤屍は、クスクス笑っていた。 まだ残っていた物を別のさらに乗せ、食器を洗い終わるといよいよ、DOLLが待っていた初詣にやって来た。 赤:足元気を付けて歩いて下さい。 赤屍が言った矢先から滑ってしまったDOLLを間一髪のところで助けた赤屍は、心配そうな顔をすると怪我がないか確認した。 赤:全く、私が言ったやさきから貴女は‥。 『すびぃませ〜ん。』 赤屍に迷惑を掛けてしまったことに少し反省をしたDOLLは、気を付けて歩くことにした。 そして、階段を登り終わり神社の神様に今年のお祈りをした。 赤:今年は、どんなお願いをしたのですか? 『秘密ですvV赤さんは?』 赤:クス‥内緒ですvV 自分達が祈ったお祈りを二人で何を祈ったか当てっこしながら家に帰っていった。 完全に体が冷えてしまった二人は、温まる為に行く前に沸かしておいたお風呂に入ることにした。 『気持ちぃ、ねっ赤屍さん。』 赤:えぇ。ちゃんと肩まで入るのですよ。 『うい〜す。』 徐々に体が暖まってきたDOLLは、眠たそうな目を擦りながらこんな事を言い始めた。 『私ね、神様に赤屍さんと私の子供が生まれますようにって、お祈りしたの‥だから…来年…は…』 最後まで言い終わる前に眠ってしまったDOLLを優しく抱き締めた赤屍は、"クス"と笑った。 赤:私と同じお祈りをしていたとは‥来年こそ、貴女との子を… END―…… 2009.1.4 |