ポタポタ… 鏡:…雨、かぁ〜… 灰色の空を見上げると、小さな雨の粒から大きな雨の粒に変わって行くのが分かった。 空が俺の為に泣いているのだろうか、それとも、コイツらの為に泣いているのだろうか。 そんな事を思いながら、ゆっくりと瞳を閉じる。 雨の香りと血の香りが、鼻の中に入って来る。 俺が殺した連中の血の香りが… 『………形而――!!』 遠くから愛する人の声が聞こえて来る。 俺の名前を言う声が闇にいた俺を、引きずり出してくれた。 俺は、そっと声のする方に目をやる。 傘を差しながら俺がいる方に向かって来る‥愛する人。 『・・また、殺したの?』 鏡:あぁ・・それが、俺の仕事だからね… 血塗れになってしまった白いスーツ… 血塗れた地面… 辺り一面、"血の海"になっていた。 彼女は、そんな光景を目の当たりにしながらも動揺の色を一つも見せなかった。 『じゃ、帰ろう形而♪今日は、DOLL特製ふあふあなオムレツだよ♪』 鏡:美味しそうだね。 雨の日は冷たいはずなのに、なぜか温かい… 君のおかげなのかな。 こんな俺を見捨てないでいてくれて… ありがとう… END−…… 2007.5.1 |