『いらっしゃいませ。お一人様ですか?』 その一言‥ お前が言う言葉一つ一つに俺は、今にも壊れそうだ。 言葉だけではなく、お前の存在全てが俺を惑わす。 何なんだ、この気持ちは…。 「恋は100%」 とあるファミリーレストランでの事だった。 元風雅のメンバー・雨流俊樹は、今ファミリーレストランに来ています。 雨:あぁ。 『禁煙、喫煙どちらの席にしますか?』 雨:禁煙・・。 何故、雨流がファミリーレストランに来ているかと言うと…。 ある日の出来事。 腹が空き過ぎてしまった雨流は、近くにあったこのファミリーレストランに"フラッ"と寄ったのがきっかけで、そこでなんと! 女神(DOLL)が、働いていたのだ。(雨流には、そう見えたらしい。) 『かしこ参りました。では、こちらへどうぞ。』 彼女の名前は、DREAMDOLL。 雨流が初めてここに寄った日からバイトを始めたらしい。(なんか、運命的な再開みたいな。) 『メニューが決まりましたら、こちらのボタンを押して下さい。では、ごゆっくり。』 DOLLが去って行くと雨流は、「・・美しい。そして、なんて可愛らしいんだ。」と、頬擦りしながら呟いていた。 DOLLが去った後は、メニューなんかそっち退けでDOLLの観察を始めた雨流。 ずっと観察しいるとこっちに気が付いたのかDOLLが雨流のテーブルにやって来て、慌てて何を注文しようかとやっと考え始めた。 『…ご注文は、これでよろしいでしょうか?』 慌てて決めたのは、やっぱり珈琲だけ。 手帳らしき機械に入力しているDOLLの姿を見つめていた雨流にDOLLは、「・・お客様?」と、"ボー"としている雨流の肩を揺さぶった。 すると、我に返った雨流は、「あぁ。すっ、すまない。」と、俯いて謝罪の言葉を吐いた。 『クスッ・・別に構いませんよ。毎日来て下さっているから。私って、そんなに可愛いですか?』 "ニコッ"と天使の笑みを掛けられた雨流は、今にも崩壊寸前。 なんとか、返事を返そうと思っていても言葉が出ない為「コクッ・・//」と、頷いて返事を返した。 これが雨流の精一杯の頷きだった。 その行動を見てDOLLは、"ニコニコ"微笑みながらその場を去った。 そして、数分後、珈琲カップの乗ったトレーを持って雨流の前にまた現れた。(それから、珈琲を何杯お代わりをした事か…。) そろそろ帰ろうかと腰を上げレジに向かうと、そこに… 『ありがとうございました。またのご来店を。』 レジの会計をDOLLがやっているのを見た雨流は、今にも心臓が飛び出しそうな勢いまで跳ね上がっていた。 『お会計ですね。』 雨:あの、今日この後、一緒に・・ 会計をしているDOLLを前に勇気を振り絞って食事に誘おうとした瞬間、「いいですよ。後もう少しで、上がるんで外で待って居てもらえますか?」と、即答しながら時計を"チラッ"と見るとDOLLは、"ポカン"と口を半開きにして見つめたままの雨流に視線を戻した。 顔を左右に振ると現実世界に戻り「・・分かった、外で待っている。//」と、照れ隠ししながらお金を払い外で待つ事になった。 数分後―…… 『すみません。ちょっと、店長に捕まっちゃって・・』 苦い顔を一瞬見せれといつもの顔に戻っていた。 「俺は、大丈夫だ。」と、言ったものの「いえ!待たせてしまった分、私が腕によりを掛けて手料理を作らせてもらいます!」と、ガツポーズを見せるDOLL。 雨:DOLLの手料理・・食べてみたいな。 『じゃ、買出しに行きましょうvV』 DOLLの手料理が食べられると"ウキウキ"気分になった雨流でした。 そして、買い出しを済ませるとDOLLの家へと向かった。 『すみません。荷物持たせてしまい・・。一つ持ちますよ?』 両手にビニール袋を持っている雨流に申し訳なさそうな顔で言うDOLL。 雨流は、「この位、大丈夫だ。」と、笑ってそう告げると満面の笑みで礼を返すDOLLに雨流も笑顔になった。 『ここが私の家です。どうぞ、入って下さい。』 玄関の鍵を開けると両手が塞がっている雨流を先に招き入れ、最後にDOLLが玄関を閉めた。 先に入った雨流は、礼儀正しく「お邪魔します。」と、言いながら買ってきた材料を台所に置きリビングへと足を進めた。 『適当に寛(くつろ)いでいて下さい。すぐ作りましから。』 台所の方からDOLLの声がすると、可愛らしいカーペットの上に座って「(DREAMと結婚が出来たら、毎日DREAMのおいしい料理が食べられるのか・・。)」と、DOLLがいない間、脳内妄想を繰り広げ始めた雨流。 『出来ました!!』 その掛け声に雨流は、やっと我に返った。 そして、食卓に付くと豪華な料理が並べられていた。 雨:頂きます。 『頂きま〜すvV・・おいしぃ、久しぶりだな〜。こんな風に人と食べるのは…』 一口自分が作った料理を食べると悲しそうな顔をするDOLLに雨流は、「家族とか…その、恋人とかで一緒に食事をした事がないのか?」と、真面目に質問する雨流に"プッ"と吹き出し笑うと「恋人って・・生まれてこの方一度も作った事ありませんよ。」と、笑いながらそう言った。 内心"ほっ"と胸を撫で下ろす雨流だった。 『・・そう言えば、まだ名前とか聞いてなかった。なんて、名前なんて言うんですか?』 腹が捩(よじ)れるくらい笑ったDOLLは、涙を拭き雨流の名前を聞いてきた。 雨:俺の名前は、雨流俊樹だ。 『雨流さんは、彼女とかいないんですか?』 雨:いない。・・だが、彼女にしたい人は、いる。// 『それって、私ですか?』 人差し指を自分に向けるDOLLを見た雨流の顔は、真っ赤に染まり「なっ、なんで、分かったんだ!?」と、"バレないように観察していたはずなのに"と、頭の中で自分の行動を見直していた。 『そりゃ〜、毎日のように珈琲飲みに来て私の事ばっかり見ているから、好きなのかな〜って。』 人差し指を頬に突き立て、考え出したDOLLは、「女の勘ですかね。」と、笑った。 雨:…//DOLL! 『はい。』 大きな声でDOLLの名前を呼ぶ雨流につい反射的に返事を返してしまったDOLL。 そして、「おっ、俺の・・俺の!!」と、勇気を振り絞って告白をしようした瞬間‥ 「彼女になりますよvV」と、まだ告白し終わっていないのにあっさりと返事を出され驚きを隠せない雨流は、間抜けな顔を見せてしまう。 『どうしたんですか?そんな驚いた顔。』 夢じゃないよなと、頬をつねり"夢じゃない"と分かった雨流は、「本当に・・俺の彼女になってくれるのか?」と、片頬を少し赤くさせながら言ってくる雨流。 それを見て"クスクス"笑うDOLLは、椅子から立ち上がり雨流の側で「はい☆」と、今までにない笑顔で笑い掛けた。 そして―…… チュッ・・vV 『私、寂しがり屋だからあんまり寂しい思いをさせないで・・』 チュッ… 雨:そんな思い、絶対させない。幸せにして行く・・一生の伴侶として。 これから、お前とどう歩んで行こう。 好きだ、DOLL…… ずっと、この気持ちが変わらずに生きていきたいな。 END―…… 2009.2.22 |