いつもと変わらない通学路。 いつもと変わらない学校。 いつもと変わらない生活を送るはずだったのにぃ!! こんな学校なんて嫌い!‥だけど…赤屍先生…… 「学園物語?」 『…よし。』 何の変鉄もないただの女子高校生が学校に来るなり校門の前で準備体操を始めたのだ。 この女子高校生DREAMDOLLが何故こんな事をしているかと言うとある理由があっての事だった。 もちろん、全校生徒は毎日その光景を目撃しているので平然と登校しています。 『…よし!準備体操終わり。……』 準備体操が終わると今度は、"イソイソ"と走る準備を始めるDOLL。 クラウチングの体勢に入ると、「…3、2、1!!」と小さい声で数を数えると猛ダッシュ! 学校に入って直ぐに木の上から二つの黒い影が降り立った。 蛮:よっ、DOLL!今日こそ、お前に勝って彼氏になってやるからな! 銀:蛮ちゃん!それ、俺が言おうと思っていた事。先に言わないでよ! この二人は、DOLLと同級生でクラスメイトの美堂蛮と天野銀次。 DOLLの彼氏になりたいが為に争っているバカな二人組だ。(本当バカですよね〜、この二人。) 頭を抱えているDOLLをほったらかしに蛮は、「うっせ!言ったもんがちだ!」とか言い争いが勃発。 銀:蛮ちゃん!俺と勝負してよ!今日こそ勝つんだからね! 蛮:いいぜ、来いよ!銀次!! 本人の意見完全無視で《DOLL争奪戦》が始まった。 二人をその場に残しこっそり逃げ出していたDOLLに又しても、新たな敵に遭遇してしまう。(と言っても、何時ものパターンなんだけどね‥) 木の影から白いスーツ姿の三年A組鏡形而が現れた。 学校の制服は、決まりがない為皆自由な服装で来るのだが鏡だけ‥ホストクラブに居そうな感じの服装で過ごしている。(一日中それで、過ごしているのかよ。) 鏡:DOLL、僕が教室まで送ろうか? 持参していた薔薇をDOLLに手渡そうとしたが「いえ。結構です。」と、即答し鏡の横を通り過ぎたDOLL。 すると、通り過ぎた途端、鏡に腕を掴まれたかと思いきや抱き締められてしまった。 『ッ…放してよ!』 鏡の腕の中で一生懸命もがく姿に頬擦りしている鏡は置いといて‥。 崩れた顔を直し笑顔で「ちょっと強引になるけど、許してね♪」と、DOLLが逃げないように片腕で固定すると、もう片方の手はDOLLの顎を持ち上げ「その唇を、僕にくれないかい?」と、親指でDOLLの唇をなぞった。 『//…寄るなー!!…!』 顔を赤く染めたDOLLは、抵抗しながら大声で助けを呼んだ。 その声を聞き付けた体育の先生・冬木士度先生がDOLL達の元に来て、鏡の魔の手からDOLLを救出した。 士:鏡、止めるんだ。 鏡:ビーストマスター。邪魔立てするつもりかい。 士:当たり前だ。それから、俺を渾名(あだな)で呼ぶな。 親指を立て自分の胸辺りを指差し「先生と呼べ!先生と。」と、ちょっと頭に来た士度先生でした。 授業が無い時は、外でのんびり昼寝ている士度先生は、いつの間にか周りには野生の動物達が集まって来る事から"ビーストマスター"と、渾名が付いたのだった。 士度先生の後ろに隠れていたDOLLは、心配そうに士度先生の顔を除き込むとその視線に気付き「‥DOLL、教室に行くんだ。ここは、俺がやっておく。」と、"ニコッ"と笑い掛けられたDOLLは、士度先生に一言お礼を言いその場を立ち去った。 その後、二人が川原で《釣り対決》が繰り広げられているなんてDOLLはもちろん、全校生徒も思い付かない事だろう。(なんで、釣りなの!魚釣り勝負って何!?) 教室ー…… その頃、やっと教室に着いたDOLLは、中に入るなりタイミング良くチャイムが鳴った。 卑:あっ、やっと来た。 夏:いつも通りの時間ですね。 机の上に座っているのは、工藤卑弥呼とその隣で立っているのが水城夏実。 それから、その隣の席で"ダラー"と机にへばり付きながらDOLLを見ているのは、幼なじみの楓。 三人を見つけると自分の席に向かった。(おい!卑弥呼が座っている机DOLLの席だから!何乗ってんの〜!!) 楓:大丈夫か〜?また、アイツらと殺り合ってたんだろ。 ニヤニヤしながらDOLLの顔を除き込んで来る楓に「まぁ〜ね。」と、軽く受け流した。 DOLLが席に座ると卑弥呼は、机からやっと降り鞄を机に置くと中から教科書やノート、筆箱など取り出し机の中に閉まった。 すると、勢い良く教室のドアが開いた。 蛮:なぁ〜、いっつも言ってるが… タレ銀:なんで、先に行っちゃうの? アフロヘアーになった蛮は、あっちこっちに小さな火を灯し、焦げ臭い匂いを漂わせていた。 何かの実験で失敗した化学者みたいだった。(ぷぷぷぅ…) 銀次はと言うと、猫とやり合ったような引っ掻き傷が顔中に付けられていた。(うわぁ、痛そ〜。) 『いつも言ってるけど、待ってるのが面倒くさいのよ。』 タレ銀:そんなぁ〜。 二人が落ち込んでいると背後から黒い影が… へ:いつもながら貴方達。席に座って、教科書とノート出しなさい!! 蛮達の後ろに立っていたのは、現代文の先生・ヘヴン先生だった。 先生の迫力に蛮と銀次は、「はっ‥は〜い。」と、体を小さく縮込め自分の席に座った。 そんな二人を見てDOLLは、ヘヴン先生に一言お礼を言うと「いいのよ〜。困って居る生徒がいたら見て見ぬ振りは出来ないからね。」と、教卓に向かって歩き出した。 ヘ:さっ、皆〜授業始めるわよ〜! こうして、やっとの事で授業が始まり少し"ほっ"としていた矢先、隣の席から「良かったな。ヘヴン先生が来て。」と、"ニコニコ"しながら耳打ちをして来た楓に"ニコッ"と微笑み掛け「うん。」と、返事を返した。 ヘヴン先生の授業が終わり今は、放課後。(スッ飛び過ぎましたが、お気にせず続きを…) 放課後の教室―…… 放課後になりざわつき出した教室では、みんな帰りの支度を始め"チラホラ"と帰る人達がいる中「ねぇ、今から4人でカラオケ行かない?」と、卑弥呼が言い出した。 DOLL、夏実、楓の三人は、「久しぶりに行こう!!」と、拳を掲げ嬉しそうにしていると… ピンポンパンポーン! [生徒の御呼び出しを申し上げます。1年B組のDREAMDOLLさん、1年B組DREAMDOLLさん。至急、校長室に来て下さい。] ピンポンパンポーン! 校内放送が終わると校長の呼び出しに「何だろ?私なんか、やったっけ?」と、あれこれ心当たりのある事を思い浮かべ考えるポーズをしいたDOLL。 のんびり考え事をしていたDOLLに楓が「DOLL。のんびりしてないで早く行けよ。うちら、待ってるからさっ。」と、楓の言葉に卑弥呼と夏実は、頷き笑い掛けた。 『分かった。じゃ、早く終わらせて戻って来るね。』 三人にそう告げると校長室へと急いだ。 校長室―…… 校長室前に着くと息切れを整え、校長室のドアをノックした。 すると、奥の方から校長の声が聞こえ「失礼します。」と、礼儀正しく部屋の中に入っていった。 中に入るとDOLLの目に飛び込んで来たものは、小柄な少年が立派机で新型のノートパソコンを使って仕事をしている光景が入って来た。 「(あれが、校長先生なのかな?)」と、DOLLは、疑問になるのも無理もない。 校長の素顔を誰一人として見た事がないのだ。(先生達以外の生徒達が、見ていないだけの話。) 『あの、MAKUBEX校長。私、何か悪い事したでしょうか?』 M:まぁ、ソファーにでも座っててよ。今、珈琲作らせるから。 MAKUBEX校長の指示に従いソファーに座ると、副校長の筧朔羅副校長が違う扉から入って来た。 前もって校長に頼まれていた珈琲を朔羅副校長が持って来てくれた。 DOLLの前に一つ差し出し、反対側の席にもう一つの珈琲カップを置き部屋を去って行った。 出された珈琲を前に、まだ終わりそうもないMAKUBEX校長を見て小さな溜め息を吐いた。 仕方なく珈琲に砂糖とミルクを入れ、かき混ぜ一口飲むと何か閉じる音が聞こえた。 やっと仕事が終わったのかMAKUBEX校長は、DOLLの反対側のソファーに座った。 『さっきの話、何ですけど。私‥』 M:もちろん。DOLLは、何も悪い事なんてしていないよ。ただ、君をここに呼んだ理由は‥僕の彼女になってくれないかな? 突然の告白にDOLLの頭は、フリーズになった。 数秒後、何とか意識が回復すると、さっきまでの景色が一変して変わっていた。 DOLLの目の前に写っている物は、いつの間にDOLLの元にやって来たのかMAKUBEX校長の顔と真っ白な天井が見えた。 その時、自分は校長に押し倒されたんだと冷静に考えていたDOLLにMAKUBEX校長は、すかさずキスをしようと顔が近づけて来た。 それの行動を見てDOLLは、何とかしなければと必死に抵抗を始めた。 すると、DOLLが入って来たドアが勢い良く開らき誰か入って来た。(切り刻んだの方が正しいですね。さすが、赤屍先生だな。) 赤:こんな所で何をしているんですかDOLLさん? 中に入るなり赤屍先生は、DOLLとMAKUBEX校長の元に歩み寄って行った。 保健の先生・赤屍蔵人先生が来たことにMAKUBEX校長は、「Dr.ジャッカル。なんで、君がここに来たんだい?」と、"お前なんか呼んでないんだよ"みないな言い方をするMAKUBEX校長に「一緒に帰る為にDOLLさんを迎えに来ただけですよ。」と、天使の微笑みを見せ付けた。 M:僕とDOLLの邪魔をしないでくれるかな。 赤:それは、無理な相談ですね。 笑顔を保ちながら赤屍先生は、MAKUBEX校長の魔の手からDOLLを解放しそして、自分の腕の中に包み込んだ。 赤:それでは、失礼します。あっ、言い忘れていました。金輪際、DOLLさんに近ずかないで下さいね、校長先生。 閉じられていた目がほんの少しだけ開らきMAKUBEX校長を睨み付け不適な笑みを浮かべた。 そして、赤屍先生は、DOLLを連れてその場を去って行った。 二人が去るなりMAKUBEX校長は、涙目になり自分の席に着くと詩を書き留め始めた。 誰も詩を書いてるなんて思うまい。(可愛そうに‥校長の淡い恋心サラバ。) と、その頃二人は、DOLLの教室に着ていた。 教室―…… 夏:あっ!DOLLさん帰って来ましたよ。あれ?赤屍先生と一緒? "何でだろう。"と、疑問に思っている夏実は、置いといて‥。 赤屍先生が着た事に卑弥呼は、「げっ!ジャッカル!私、アイツ嫌いなのよね。」と、ぼやく。 楓:おかえり、校長何だって?教えろよ。 教室で待っていてくれた卑弥呼達に一言をお詫びの言葉を告げると自分の席に行き、"イソイソ"と教科書やノートなどを鞄に詰め仕込みながら楓の質問に「彼女にならないか?だって。」と、簡単に返した。 その言葉を聞いた卑弥呼が「え!?彼女?DOLLを彼女にした言っていったの?」と、あまりの直球に驚きを隠せないでいた三人に"コク"と頷き返した。(直球過ぎるだろ、DOLL。他の二人も目大きく見開いて見ているよ。) 夏:何かされましたか? 『うん。襲われそうになって、赤屍先生に助けてもらった。』 支度が終わり淡々(たんたん)と答えていたDOLLに楓が「所で、何慌ててんだよ?」と、慌てている理由を聞く。 すると、凄く嬉しそうな顔で「今から赤屍先生と一緒に帰るの。それじゃ、また明日ね〜☆」と、満面の笑みで教室を去ろうとした時、卑弥呼に呼び止められた。 卑:ちょっと、カラオケはどうするの?あんたの為に私等待ってたんだよ! 『ごめん。また今度。』 そう言い残して、教室を出て行った。 DOLLと赤屍先生が去って行ったドアを見つめながら「全く。アイツは〜。」と、両脇に手を置き軽く怒る卑弥呼に「仕方がない。DOLLは、赤屍先生のメロメロだからな。」と、支度を整えていた鞄を手に持ちと肩の上に乗せる楓。 楓に賛同するかのように「そうですね。」と、夏実も帰る支度を整えた。 楓の言葉に「(そりゃ、そうだね。)」と、笑いながら「じゃあ、あたし達だけでカラオケ行く?」と、質問すると二人は、その案に賛成した。 それから三人は、カラオケを4〜5時間歌い続け声がガラガラになってしまった三人でした。(明日大丈夫なのだろうか?) 夕暮れの帰り道―…… 赤屍先生とDOLLは、真っ赤な夕陽に染まった町を歩いていた。(人気のない民家を歩いています。) 『先生。さっきは、危ない所を助けて頂き、ありがとうございます。』 歩きながら助けてくれた礼を言うと赤屍先生は、「貴女が無事で何よりです。」と、微笑み掛けられた。 その微笑みにDOLLの顔は、真っ赤に染まり俯(うつむ)いた。 DOLLの顔を見ていた赤屍先生は、"クスクス"笑いながら歩き続けた。 『あっ!私、こっちの道なんで。じゃ、また明日・・先生。』 赤:お気を付けて。 赤屍先生との短い時間が終わって閉まいDOLLは、少し残念そうに曲がり角を曲がると「‥先生!」と、赤屍先生の元に戻って来た。 赤:なんですか?DOLL‥ 赤屍先生の前に立つとにっこり笑い赤屍先生の左頬にキスをした。(わぉ、スゲー!不意打ちキッスだ。大胆だなぁ〜。) 『今日助けてくれたお礼です。じゃ、先生また明日♪//』 頬を真っ赤にしながら礼を言うと、自分の家へと猛ダッシュして帰って行った。 その場に残された赤屍先生はと言うと「不意打ちとは‥。クスッ、さらにDOLLさんが好きになってしまいました。」と、DOLLの背中を見つめながら呟いていた。(独り言、恐ッ。でも、嬉しいかも☆) 赤:今度、また不意打ちをして来たら、襲いましょうかvV "クスクス"笑いながら帰っていた。 次の日、また一緒に帰ることになったDOLLは、お別れのキスをしようとした時、赤屍先生に熱いキスをされそのまま、先生の家に"in!"。 襲われたとさ、めでたし、めでたし。 『赤屍先生、大好き♪』 END―…… 2009.2.21 |