無限城のある部屋で、MAKUBEXと笑師、DOLLの三人が部屋の床に座りながら話をしていた。
今日は、三人共暇で携帯で連絡を交わし集まったメンバーだった。
広い部屋にたった三人で三角形になりながら、何かを話し始めた。


M:今日は、何して遊ぼうか?

笑:そでんなぁ〜‥隠れんぼはどうないでしゃろ。

『え〜。また、隠れんぼ〜。昨日も一昨日もやったじゃん。今日は、違うのがや〜りた〜い。』


この三人はどうやら、何して遊ぶのかを相談して居るみたいですね。
暇でいいですね〜。


笑:そないな言い方しますけど、DOLLはんは何がしたいんでっか?


いきなりの笑師の問い掛けにDOLLは、答えることが出来なかった。
多分、遊びたいのが一つも思いつかなかったのだと思う。
そして、DOLLが黙ってしまったのに満足した笑師は…


笑:何もないんやったら、隠れんぼで決りでどうです、MAKUBEXはん?

M:そうだね。じゃ〜…

朔:何なさっているのですか?


MAKUBEXが笑師の問い掛けに答えようとしていたその時、MAKUBEXの背後から朔羅がヒョコっと現れた。
さくらが来て三人の反応は、「また、来たよ。」と、言う感じの視線を朔羅に送り付ける。

 
『何して遊ぼうか、話してたんだけど、笑師が"また、隠れんぼやりたい"って、言ってるの。』

笑:いつ!隠れんぼがやりたいなんて言いました?

『そんな感じのこと言ってたでしょ!』

笑:言っとらん!!

『言った!!』


なぜか、言わなかった言ったの言い争いになってしまった。
そんな二人を見ていた朔羅が、あることを思い出したかのように片方の手をパーにして、もう片方の手をグーにして思い出したと言うポーズをした。
そして、朔羅は二人の喧嘩を止める為に二人の間に入り、口を挟んだ。


朔:では、テニスでもしましょう♪

DOLL・笑:テニス!?

朔:はい♪

『いいわよ。この際、テニスだろうが、サッカーだろうがやってやろうじゃない!!』

笑:そうでんな!DOLLはん、わいと勝負や!!

『望むところよ!!かかって来なさい!』


なぜ、そんな事で熱くなるんでしょう。


朔:はい。ラケットとボールです。


いつの間にか朔羅は、ラケットとボールを持って来ていた。
そして、DOLLと笑師にラケットを一本ずつと二つのボールを渡す。
二人は、朔羅にお礼を言うと部屋を出て行き、テニスコートのある場所に移動した。
なぜか、睨み合いながら去って行く。
残されたお二人は…


朔:じゃ、私たちもやりましょうか?MAKUBEX♪

M:え?あ、うん。

朔:はい、ラケット。

M:ありがとう、朔羅。

朔:いいえ♪


MAKUBEXと朔羅もラケットとボールを持って行きDOLL達の後を歩いていった。
こうして四人は、テニスの試合をすることになった。


数分後―……

DOLLと笑師がやっているテニスコートでは、かなりの白熱。
最早、普通のテニスではなくなっていた。
まるで、漫画のようなテニスをしている二人。


『とりゃあぁぁ―――!!』

笑:はあぁぁ―――!!

 
暑い…
暑すぎるくらいの白熱っぷりだ。


『これでもどうだ―!DOLLスペシャル、ファイヤースマッシュ!!』


DOLLは高くジャンプし、変な名前の必殺技のスマッシュを、笑師がいるコートに叩きつけた。
名前の通り、ボールが炎に包まれ"ファイヤー"ボールと化し落ちていった。


笑:そんなんじゃ、効き目無さ過ぎやろ。…笑師スペシャル!ウォーターボレー!!


今度は、笑師のボレーでDOLLのいるコートに打ち返される。
炎に包まれていたボールが、一瞬にして消し去られた。
しかも、今度は"炎"ではなく"水"に変化してDOLLのコートに打ち返された。
コートに入って来たボールをDOLLは、なんなく拾い上げて、また打ち返し打ち合いを続ける。
こんなの絶対有り得ない。


『まだまだ!』

M:………うわぁぁ―――!!


DOLL達が真剣に試合をしていると違うコートでやっていたMAKUBEXと朔羅がいるコートから悲鳴が聞こえて来た。
その主がMAKUBEXだと気付くのに数秒もかからなかった。


笑:何や?さっきの悲鳴は?

『MAKUBEXの声じゃない。』


そう言い二人は、テニスをするのを一時中断する。
そして、二人はMAKUBEX達がいるコートに目をやると、誰かがコートの中でうつぶせの状態で、ネットの方に頭を向けて倒れていた。


朔:ほら、立って下さいよ。MAKUBEX。

M:もっ…もうダメ…ガク‥
さ:はぁ〜‥手ごたい無さ過ぎですよ。もっと強い人居ないのかなぁ〜?


右手に持っていたラケットを右肩に乗せて、ため息を吐く朔羅。
すると、DOLLと笑師が朔羅達のいるコートへ走りつけて来た。


『さっ‥朔羅?』

朔:!‥どうかしましたか?そっちは、もう終わったのですか?


肩に乗せていたラケットをスッと下ろして、いつもの朔羅に戻りDOLL達の方を向き笑顔で問い掛ける。

 
『ううん、MAKUBEXの悲鳴が聞こえたから見に来たんだけど〜…朔羅、意外に強いんだ。』

朔:そんなことないですよ〜。あっ、そうだ!私対お二人で試合しません♪

笑:そんなんじゃ、反則ちゃいますか?

朔:私は構いませんよ♪ねっ、やりましょ♪


コートの中で倒れていたMAKUBEXを笑師が担ぎ上げ、コートから少し離れた場所にMAKUBEXを寝かせてDOLLの元に戻って来た笑師は、そんな事を言う。
あんなに楽しそうな朔羅を見ていた二人は、仕方がなくやることにした。


笑:まっ、いいでしゃろ。じゃ、やりまひょかっ、DOLLはん。

『そうだね。こっちも、全力で行くから!朔羅も、全力で来てよ!!』

朔:は〜いVv……行きますよ。


すると、朔羅の背景が一瞬にして変わった。
キラキラフアフアの感じの朔羅のオーラが、黒く息苦しいオーラになっていた。


『(雰囲気が変わった?!)』

笑:(こんな、朔羅はん見たことあらへん!)


二人は、朔羅のオーラが変わったのに動揺しているが朔羅は、それを完全無視し左手でボールを床に打ち付けて、サーブを打つ準備をしていた。


朔:私からのサーブです。‥play……


ボールを弾ませるのを止め、天井高くボールを投げる。
と、次の瞬間、何かが通っていった。


『……!今、サーブ打った?!』


DOLLは、朔羅がサーブを打ったのか笑師に確認をする。
だが、笑師も朔羅がサーブを打ったのか分からなかった。


笑:いや。まだ、打って無いはずや。

朔:いえ。打ちましたよ。

‥ポトン…

『‥本当だ…』


朔羅が指を差した方を二人は見ると、ボールが転がっていた。
目にも止まらない程のサーブを朔羅が打ち込んで来たのだ。


笑:マジでっかいな!女の子が打つサーブちゃうで!男でもあんなサーブ打てへんのに!!

朔:15-0…


朔羅は、まだ準備の出来ていない笑師に向かってボールを打ち付けた。


ドン!!パリーーン……
↑笑師の眼鏡が破れた音と体に当たった音

バタン……
↑笑師が舞い降りた音

『えっ、笑師!‥大丈夫、笑師!?』

 
DOLLは、笑師が倒れた場所に駆け寄り上半身を抱き抱えて、笑師を揺さぶり起こす。


笑:わっ…わいにかまはず‥アイツを…アイツを倒したってく、れ‥ガク…


力尽き笑師は、気絶をしてしまった。


『笑師?笑師――!!』

朔:‥DOLLさん。このゲームまだ、続けますか?

『‥やるわ!笑師の意思を継いで、朔羅を倒す!!』

朔:それでこそDOLLさん。では、ポイントはそのままでいいですね?

『いいよ。』

朔:それじゃ、30-0…

ドン!パン!
↑朔羅のサーブが入り、打ち返した音

朔:何?!

『ふん…もう目が慣れたもんね〜♪そう簡単に……』

パン!
↑打ち返した音

朔:"そう簡単に"なんですか?

『ふん。油断大敵ってやつ?面白いじゃない。来いや―!!』

朔:ふん‥40-0…


数時間後―……

こうして二人は、タイブレークまで行き、体力が保たなくなり二人は、コートの中で"ゼーゼー"と、荒い呼吸を繰り返しながら倒れていた。


『ハァハァハァ………』

朔:ハァハァハァ………

笑:いや〜。同点で、引き分けになってしまいましたが。MAKUBEXはん、この試合、どう思いましたか?


MAKUBEXと笑師は、司会者気分で実況中継をしている。


M:そうだね〜。二人共、いい試合をしていたよね。タイブレークでは、124-124だったもんね〜。すごいよ。

笑:そうでんなぁ〜。では、お二人にインタビューしてきますさかい。

M:うん。


椅子から立ち上がり笑師は、DOLL達がいるコートに駆け寄っていった。
まず最初に向かったのは、朔羅がいるコートからだった。


笑:この試合は、どうでしたか?まずは、朔羅はんから!
 
朔:…まだ、そのような元気があるんですね…


うつぶせの状態で上半身を両腕で支えていた朔羅は、ぼっそりとこんなことを言った。
ぼそりと言った朔羅の言葉は、聴こえてなかったらしく、朔羅に再度聞き返す笑師。


笑:え?なんて、言いました?

朔:DOLLさん。ウォーミングアップは、これくらいでいいですよね?

『うん、いい準備運動が出来たよ。』


朔羅のいる反対側のコートでは、DOLLは既に立ち上がっている状態で、右肩にラケットを乗せて返事を返す。


笑:え?あの〜、ウォーミングアップって?

朔:あなた方に、もう一度、頑張ってもらいたいと、思いましてね。ねっ、DOLLさん。

『うん。上手に舞って下さいよ。MAKUBEX、笑師…』

M・笑:いや――――!!


自業自得ですね。
頑張って下さい。


M・笑:そんな―!!

朔:手加減しませんよ。

『叩き潰す!!』


朔羅は、にこやかに黙殺。
DOLLは、左手をグーにして親指を立て、親指を床に向ける。


M・笑:うわぁぁ―――!!


こうして、MAKUBEXと笑師は、DOLLと朔羅の仕返しを受けて、病院送りにされたとかなんとか。
無限城でそんな噂が流れていた。


END―……

2007.5.20
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