朝、一杯のミルクを電子レンジで温める音が聞こえて来た。
温まったミルクを取り出し、玄関から持って来た新聞持ちリビングにあるソファーに座る赤屍。
赤屍が座ったと同時に、リビングのドアがそっと開く。
開けたのは、パジャマ姿のDOLLだった。
まだ、眠そうな顔でリビングの中へ入って来た。


『おはようございます〜…ふぁ〜。』

赤:おはようございます。良く眠れましたか?

『うん…』


眠気眼のDOLLは、赤屍の座っているソファーの隣に座る。
と、赤屍はスッと立ち上がり、台所の方へまた戻って行った。
さっき、もう一つ違うミルクを電子レンジに入れて温めていたのを取りに行ったのだ。
出来上がった事を知らせる音が流れそれを取り赤屍は、ホットミルクを持ちリビングにいるDOLLに渡す。


赤:はい。DOLL、ホットミルクです。熱いので、火傷しないで下さいね。

『ありがとう。』


DOLLは、赤屍に言われた通りに火傷をしないように冷ましてから、ホットミルクを飲む。
さっきまで冷えていた体が、徐々に温まっていった。
立っていた赤屍は、DOLLの隣にまた座り直し、テーブルの上に置いて置いた新聞を広げてまた読み出した。
コップに入っていたミルクを全部飲み干したDOLLは、コップを台所に持って行きそれを洗う。
そしてから、もう一度寝室に戻り、着替えをしに戻って行った。


赤:そろそろですね〜。


DOLLが去ってほんの数分経ってから時計をチラリと見る。
ニヤニヤと笑顔の赤屍は、また新聞の方に目を戻した。
すると…


『きゃあああぁぁーーーーー!!』


DOLLの悲鳴が二階から家中に響き渡った。
そして、次の瞬間赤屍の居るリビングに"ドドド――!!"と、すごい音が廊下に響いたかと思ったら、リビングのドアが勢い良く開いた。
開けたのは、5〜6歳位の女の子だった。
大きすぎるパジャマの上着の裾を両手で掴み、顔を真っ赤にさせながら、肩で呼吸をしていた。


『蔵人!!なんなの、これは〜!』


その女の子は、小さくなったDOLLだった。
多分、赤屍に何か盛られたのだろう。
赤屍は、そんなDOLLを見るなり、"可愛い。"の一言を言いDOLLに近ずき、赤屍の両手に捕まり、持ち上げられた。
高い高いしている状態です。


『なっ!//何するのよ〜、蔵人!!』

赤:ただ、持ち上げただけですよ♪

『お〜ろ〜し〜て〜!!』

赤:いいえ、下ろしません。その前に、子供用の服に着替えましょうVv

『い〜やぁ〜!!』


赤屍に抱き締められた状態のまま、寝室に戻されてしまったDOLL。
寝室に入ると、DOLLを下ろし赤屍は何処かへ行ったかと思ったら、どっかからかフリフリの薄いピンク色のドレスを持って来た。
もちろん、子供用のドレスです。
なぜ、こんなのがあるのかは、秘密でお願いします。


『蔵人、これしかないの〜?』

赤:(かっ…かわいい。)えぇ、これしかありません。(本当は、まだあるのですがねVv)


嫌な顔をしながらDOLLは、「う〜ん、この服しかないのなら仕方がないや。」と、開き直るDOLL。
そんなDOLLを見て、あまりにも可愛過ぎたDOLLに赤屍はまたDOLLに抱き締めた。
そんなこんなで、DOLLはドレスに着替えた。

 
数分後―……

『ねぇ〜、蔵人?』

赤:何ですか、DOLL。

パシャッ!

『なんで、写真を撮っているの?』

パシャッ!

赤:DOLLが、あまりにも可愛過ぎて写真にでも納めたく思いましてねVv

パシャッ!


角度を変えながら、写真を撮りまくる赤屍。
まるで、親バカだ…
デシタルカメラを目から離し、写真を取っていた手を休める。


赤:…さて、外に出て何処か行きますか。何処に行きたいですか?

『ん〜…遊園地♪』


笑顔で赤屍に返事を返したDOLL。
赤屍は、「では、行きましょう。」と、DOLLの小さな手を取り外へ出て行った。
外に出ると、DOLLの顔がミルミルと変わっていた。
多分、今まで見慣れていた景色が180度変化したからだ。
そんな二人は、車に乗り込み遊園地に向かった。
もちろん、運転は赤屍がやっています。


一時間後―……

遊園地に到着。
今日は、平日なのでそれ程混んではいない。
赤屍は、チケット売り場で大人と子供用のチケットを買い、遊園地の中に入っていった。


『うわぁ〜!遊園地だ〜♪デート以来だね、蔵人Vv』

赤:そうですね。DOLL、最初に何に乗りたいですか?


「う〜ん、とね〜。‥あれがいい!!」と、可愛らしく言いながらコーヒーカップを指差す。


赤:分かりました。では、行きましょう。

『わぁーい♪』


赤屍の手を握り締めながら、コーヒーカップ乗り場に行く。
順番待ちはせずに、すんなりとコーヒーカップに乗れた二人は、親子のように楽しんでいた。
DOLLは、真ん中にある輪っかを笑顔で回していた。
そんな赤屍は、DOLLの楽しそうな笑顔をデシカメに納めていた。
写真を撮っていた赤屍は目を回さず、DOLLだけが目を回しながらコーヒーカップを降りた。
それから次々とアトラクションに挑んでいった二人は、後他に乗りたい乗り物を歩きながら決めていた。


『ねぇ〜、蔵人。』

赤:どうかしましたか、DOLL?

『いつになったら、この身体、元に戻るの?』

赤:それは、ひ・み・つです♪


腰を少し折りながら、人差し指を立てて、自分の唇に当てて微笑んだ。
DOLLは、赤屍のその仕草に"カチーン!"と、来てしまったらしく、赤屍の前に走って行き怒鳴りつけた。


『なんで、秘密なのよ!私がこんなにも、悩んでいるって言うのに!!蔵人なんか‥蔵人なんか…大っ嫌い――!!』


そう言ってDOLLは、人込みの中へと消えて行った。
赤屍は、その人込みの中に消えて行ったDOLLを見つめながら、一歩も動けずにいた。
確かに、あれはないよ。


赤:‥大っ嫌い、ですか…少し傷付きましたね。


そんな事を口にしながら、DOLLが消えて行った人混みの方向を歩き出した。
てか、走れよ!!
早く、追いかけろよ!!

その頃、DOLLは、どこかの森の中の木の影に隠れていた。
しかも、木にグチりながら…
変な子に見えるから止めなさい。


『蔵人のバカ…大っ嫌い!!な〜にが、ひ・み・つよ!私は、こんなにも真剣に考えているのにぃ〜!……でも、大っ嫌いなんて言っちゃったけど‥大丈夫かなぁ〜。蔵人…』


体育座りをしながら顔をうずくめていると、その木の影からひょこと赤屍が顔を出て来た。
しかも、笑顔で…


赤:少し傷付きましたよ♪DOLL。

『くっ、蔵人!?なんで、ここだって分かったの?』

赤:愛の力ですよVv


微笑んでいる赤屍に対して、唖然と見ているDOLL。
唖然としていたDOLLの顔が徐々に怒りが籠もった顔に変わり、「ふざけないで下さい!!」と、子供ながら大人口調で言うDOLLだった。
赤屍は、「はいVv」と、返事を返した。


赤:それで、帰りますか?DOLL。

『うん。』


浮かないDOLLの手を赤屍がとり、二人は自分達の住む家へと帰って行った。

 
『ねぇ〜、いつになったら元に戻る方法教えてくれるの〜、蔵人。』

赤:そうですね〜。では、一言これを言って頂けますか。


笑顔でDOLLを見下ろしていると、腰をかがめてDOLLの耳元に顔を寄せて、ヒソヒソと話す赤屍。
すると、DOLLの顔がミルミルと赤くなって行き話が終わると、赤屍はDOLLの耳元から離れる。


『それ…言わないとダメ?//』

赤:はいVv


赤屍に聞かされた言葉に戸惑っていたDOLL。
そんなDOLLの仕草が、可愛いかったのか、面白かったのか、笑顔であの言葉を言って貰うのを待っている。
すると、への字にしていた口を緩めて口を開く。


『じゃ……パパ、大好き!!//』

ギュッ


DOLLは、赤屍に言われた通りにやると、DOLLの身体がだんだんと大きくなり、着ていた服は、いつの間にか煙のように消えてしまっていた。


赤:うれしいですよ。でも、小さくて可愛いDOLLもいいのですが、こっちのDOLLは色気がたっぷりあっていいですねVv

『え?‥きゃぁぁー!!』


DOLLがスッと自分がどんな姿をしているのか、見て見ると何も着ていない真っ裸の状態で赤屍に抱きついた。
顔を真っ赤にしながらまた抱きつき、赤屍の胸の中でうずくまっていた。
すると、赤屍は自分が着ていた上着をDOLLにソッと被せる。


赤:そのままでは、風邪を引いてしまいますね。どうでしょうか、ご一緒にお風呂に入いるのは♪

『‥いいですよ。//』


両手で赤屍の上着を掴んだまま、赤屍にお姫様抱っこで、お風呂場まで連れてってもらった。
その中では…
大人のお約束、ですね♪
(ご想像にお任せします。)


END…

2007.3.27 マリ様へ―……
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