花:DOLLさん。


声を掛けて来たのは、元VOLTS四天王の風鳥院花月だった。


『花月さん。はい、なんですか?』


テーブルに飲み掛けのジュースを置き花月の顔を覗き見る。


花:少し話をしたいのですが‥二人だけで…

『ん〜…じゃ、私の部屋で話しましょうか?』


少し考える素振りを見せ立ち上がり、花月を自分の部屋へと案内する。
明かりの灯る廊下を歩いていると、ある一室の部屋の前に辿り着ついた。
そして、二人は中へと入っていった。
綺麗に整理された部屋の中は、女性らしい小物やぬいぐるみ、思い出の写真なんかが飾られている。


『それで、話ってなっ―…花月さん!?』

花:DOLLさん。僕は…貴女の事が、好きです。


DOLLの腕を引き寄せ、優しく抱きしめる。
女の子ような華奢な体に見え、意外と"ガッチリ"とした腕に包み込まれたかと思えば、花月からのいきなりの告白。
目が点になるDOLL。
耳元では、花月の心臓の鼓動が早鐘を打ちつけている。
痛いくらいに…


花:貴方の姿を目で追っている内に‥好きだと言う感情が芽生え、貴女の事を思う度、胸が痛いほど苦しくなった。最初は、何故こんなに苦しいのだろと思いました。…でも、やっと気が付きました。…DOLLの事が‥好きだと……

 
密着していた体を少し離し、お互いの顔を見合う。


花:ずっと言いたかった。でも、もし‥その思いが一方なものだったら…僕は…

『やっと‥言ってくれた。好きに決まってるじゃないですか。いつまで待たせるのかなって思っていたんですよ…』


DOLLは"ニコッ"と、微笑むと涙を流した。
花月はDOLLの瞳を覗き込み、「どのくらい彼女を待たせてしまったのだろう」と、思いながら片手をDOLLの頬に添え涙を拭う。


花:泣かないで下さい。綺麗な顔が台無しですよ。

『泣いてなんかないもん‥ただの嬉し泣きです。//』

花:はいはい。


花月の胸板で顔を隠すように啜(すす)り泣くDOLL。
そんなDOLLを優しく抱きしめ、頭を撫で宥める花月。


彼女にどれだけの時間を与えてしまっていたのだろう
僕が追い求めていた答え…
それは
僕の腕の中で泣いている
これからは 貴女との時間をゆっくりと過ごしていきたい
ポケットに忍ばせている小さな愛の輪
貴女が泣き止んだ時に…


END―……
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