銀:DOLLちゃん、ちょっといいかな?それから、外で話したいんだけど‥


声を掛けて来たのは、いつもヘラヘラしている奪還屋の天野銀次だった。


『いいよ。じゃ、私の部屋で話しましょう。』


テーブルに飲み掛けのジュースを置き二人は、リビングを後にした。
明かりの灯る廊下を歩いていると、ある一室の部屋の前に辿り着ついた。
そして、二人は中へと入っていった。
綺麗に整理された部屋の中は、女性らしい小物やぬいぐるみ、思い出の写真なんかが飾られている。


銀:綺麗な部屋だね。DOLLちゃんらしいや。

『ありがとう、銀ちゃん♪所で、私に何か用でもあるの?皆の前で言えない事?』


首を傾げ問い掛けると銀次は、顔を真っ赤にさせ下を向く。


『どうしたの?顔真っ赤だよ。熱でもあるの?』

銀:ちっ、違うんだ!これは…

『違うなら何なの?言ってくれないと分からないよ。』

銀:あの、あの!俺の事を…貰って下さい。俺からの!!クリスマスプレゼントです!!


思いもしなかった事を口にされDOLLは、びっくりし呆然と立ちすくむ。


『えっ?‥もう、銀ちゃんたら冗談もいい加減にっ―…』
 
銀:冗談じゃない!!‥冗談じゃない……俺は、DOLLを初めて見た時から綺麗な人だなぁって、思ってさっ‥その〜//ひっ、一目惚れしたんだ。


DOLLと初めて会った時の事を思い出し、頬を染めると両手の人差し指の先を合わせ"モジモジ"と、させ恥じらう。


銀:それから、段々DOLLの事が分かって来て‥そしたら、ますます好きになっちゃったんだ。でも、俺、DOLLを幸せにさせられるだけの力がないかもしれないって、思った……それでも、俺はDOLLの事がっ―…


下を向きながら話していた銀次は、"バッ"と顔を上げると同時に銀次の胸にDOLLが飛び込んできた。
啜(すす)り泣くDOLLにどう対応していいか分からず"タジタジ"としている銀次にDOLLは、泣きながら笑う。


『私、嬉しい‥銀ちゃん…』


銀次の首に腕を回し顔を引き寄せると銀次の唇に"ソッ"と口づけを交わした。


銀:なっ、何で!!俺にキッキッキス何かしたのDOLLちゃん!?


思いもしなかった事に銀次は、ただ驚き戸惑うだけしか出来ずにいた。

 
『銀次‥』

銀:何?(DOLLちゃんが俺の事呼び捨てで呼んでくれた。でも、何だろう?)


呼び捨てで呼んでくれたのを心から喜ぶが銀次。
だが、なぜ急に呼び方を変えたのか疑問に思いながらもDOLLの話に耳を傾ける。


『私は、銀次の事‥好きだよ。銀次がおじさんになっても私は、銀次の側で…銀次の腕の中で安らかに死にたいの‥だかっ―…』


DOLLの唇に銀次の人差し指が触れ、口封じをし"ニコッ"と笑ってみせた。
静かになり"ソッ"とDOLLの唇から指を退ける。


銀:そんな事、言っちゃったらDOLLの事抱きしめられないじゃないかぁ♪

『あっ‥そうだね。ごめん…』

銀:謝らなくていいよ。だって、俺だって思ってたことだし♪……こんな俺だけど、一緒に生きてくれますか?


DOLLの瞳を見つめながら頬に手を添え、微笑むとDOLLは、顔を仄かに赤くさせ"コクッ"と、頷いてみせた。


聞こえましたか?
私の声‥
私 やっと貴方と一緒に生きて行ける事になりました
神様 見ていて下さい
私とこの一生愛し続けると誓ってくれた人との生活を…


END―……
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