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緑の石を探しに行ったアースイレブンのみんなに断りを入れ、わたしは一人、ラトニークを歩いていた。虫に驚いて逃げ出したあの時は迷い迷ったこの森だけど、一緒に歩いている時、バンダくんが丁寧に植物を教えてくれたからもう迷いはしない。こんなに奇想天外な植物に囲まれて歩くのは、当たり前だけどこれが最後になるんだろうなあ。

ついさっき。ラトニークイレブンとの戦いが終わった。なんだか変な兄弟(またしてもファラム・オービアスの助っ人らしい)が乱入してきたせいで変にこんがらがったけれど、全力を出し切ったアースイレブンは、今回も勝利を手にした。いい試合だった、と思う。ラトニークの人たちはアースイレブンに快く未来を託してくれた。いい試合だったのだ。久坂くんもソウルが覚醒して、そう、全力を出し切った……。

「あ」

花が咲いていた。綺麗な小さい白い花。よく見てみると、それは確か昨日、バンダくんがここを通りながらわたしに差し出してくれた花であった。鼻の奥がツンとする。わたしがこの星に来てからわずか一日しか経っていない。バンダくんに出会って、一目ぼれをして、まだ二十四時間と少し。それでもわたしは、彼に恋をしていたのだ。




20131223

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