for you...(BW2・キョウヘイ&ルリ)


『はーい!こんにちは、ルッコです!』
ポケモンセンターで休憩中、聞き慣れた明るい声がテレビから流れてきた。キョウヘイの目は自然とテレビへ向いた。
「今日はシッポウシティの取材なのかぁ」
モニターには、化石について熱弁するシッポウ博物館館長・アロエと、話に付いて行けずに苦笑する人気ポケドル・ルッコが映っていた。


ルッコと、ライブキャスターを通して知り合った内気な少女・ルリが同一人物だとキョウヘイが知ったのは、つい最近だ。はじめは今後ルリとどう接するかで考えたが、そのことについてルリ自身が何も言わないので、キョウヘイも何も言わず、今まで通りに付き合うことにした。ライモンの観覧車に行くと、テレビの向こうのポケドルの姿を微塵と感じさせない、いつも通りのルリがそこにいた。
それでも、疲れていたり、弱音を吐いているルリを見てしまうと、やはり気になってしまう。無理しているんじゃないかとも思ってしまう。何より、会える機会が徐々に減っているのだ。耐えられなくなったキョウヘイは、思い切って何かできることはないかと聞いていた。するとルリは、頬を少し赤らめてこう言ったのだ。

「キョウヘイくん…あの……、ポケモン交換…してくれないかな……?」


『おや?そういえばルッコちゃん、今日はリオルが一緒なんだねぇ』
流れてきたコメンテーターの声に、キョウヘイは再び視線をテレビへ走らせた。
『はい!このリオルは、大切なお友達と交換してもらったんです!』
画面の向こうのルッコの胸に抱えられているのは、ちからのハチマキを着けたリオルだった。
『この子、お友達に似て、真っ直ぐでとっても優しいんです。だから毎日お友達と一緒にいるような感じで、すっごく元気が出るんですよ!』
画面の向こうのリオルが誇らしげに「ワン!」と鳴いた。
「お調子者」
リオルは、キョウヘイのポケモンで一番ルリに懐いていた。同時に、ルリの波動を読み取り、一番心配していたのかもしれない。常にルリを元気付けようと、どこでも一緒にいる様子が想像できた。
“ルリ、大丈夫そうだね”
隣に座るキルリアの“声”が聞こえた。ルリに似て控えめだが、ルッコのように芯が強い性格だ。
画面の向こうの彼女は、曇りない満面の笑みを見せている。
「うん」
キョウヘイも、笑顔になっていた。


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後書きに変えて

初のポケモン二次創作。ルリ可愛いよルリ。
それにしてもキルリアに出会えるとか何という俺得…。

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