渡せなかった手紙 71〜80
湖の水

掬い上げるように

記憶の中で君の姿だけを

今も

探していた…



本当はもっと早くに
気づけばよかった

意地っ張りな君が
急に優しくなった

あの時から

あの人はもう
私の手の届かぬ所へ
行ってしまったのだと…



明日なんて










永遠に来なければいい



気を抜けば
泣いてしまいそうだった

貴方のその
優しさに

与えられるぬくもりは
0(ゼロ)に等しいと知りながらも

それでも
この想いは消えることなく…



今 この世界で
誰が
私を必要としてくれるのだろうか?

そして それがもし
君だと言うのなら

私はどれだけ
救われただろう…?



溢れ出す


  全ての音が


哀しみを


  支配する



紡ぎ出した
旋律(メロディー)の断片は

誰に届くこともなく

ただ

静かに風に乗って
蒼空(あおぞら)へと消えた…



嘘つき、と
君が泣き



嘘じゃないよ、と
僕は笑う



たとえばこれが
自分を護る為に造り出した
偽りの幸せだったとしても

私にとっては
現実より遥かに大切で
夢よりももっと儚い

たったひとつの
生きる希望でした…



ただ
見上げた空の青さだとか
広さだとか

そんなのが全部
君の姿と重なって

ただ
なんとなく
君の声が聞きたくなったんだ…

(そうして手に取った携帯から大好きな君の声が聞こえるまであと少し…)




71〜80!
2010.12.24

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