目覚めると体中がぎしぎしと痛んだ。 ソファで寝てしまったのかと、起き上がれば俺にかけられていたタオルケットが床に落ちた。部屋の壁にかけてある時計は昼前をさしている。寝たのはいつだっただろうか。 覚醒しきらない頭で記憶を辿る。 いつものように家に帰って、彼女が出迎えてくれて、二人で夕飯を食べて。次第に記憶鮮明になり俺は頭を抱えた。 そうだ、彼女だ。彼女と喧嘩したんだ。それで、俺が、彼女を、殴って。 恨めしげに俺を睨む彼女を無視してソファに沈んだんだ。 息が詰まって苦しい。大分前に彼女に贈った指輪がテーブルに無造作に置いてある意味なんて考えたくなかった。 落ちていたタオルケットを抱きしめて、先程まで寝ていたソファに倒れこんだ。 どんな俺も愛してくれると言ったのはお前のほうだ。全部全部受け止めると言ったのもお前だ。他の女を抱いたのは悪いと思ってるさ。でも俺は愛されたかったんだよ誰でもいいから、男でも女でもなんでもいいから。お前はそんな俺も受け入れてくれるんじゃいのか?嘘つきはお前じゃないか。 タオルケットからは彼女の匂いがした。 そしてなぜか、忌々しい少年時代を思い出して死にたくなった。 明日になったらこのタオルケットも指輪も捨ててしまおう。 |