「クレイグ、その中指立てる癖直したほうがいいよ」


「なんで」


「だ、だってそういうの駄目だよ!やられたら気分悪くなるし…それのせいでカウンセリングルーム行きになるんだから」



知るか馬鹿、とっさにやっちまうんだから仕方ないだろ。
それでも引き下がろうとしないこいつは、やめなきゃ口をきいてやらないだとか、宿題見せてやらないだとか、とにかく俺の癖をやめさせるために小言を喚き散らした。
「仮にも俺の彼女ならそれくらい許容しろよ」「だって、嫌いなんだもの」あ、こいつ嫌いとか言いやがった。


「また中指たてた!」


「うっせぇなお前が俺のこと嫌いとか言うからだろ馬鹿」


「ちっがう!クレイグのことは大好きよ!でもその中指たてるのが嫌いなの!」


へぇ、なんだ中指たてようが俺のことは好きなんだな。じゃあいちいちこの癖を直す必要もないじゃないか。
いつもみたいにからかう様に言えば、顔を真っ赤にしてやっぱり嫌いだ、とかなんとか叫んで走っていってしまった。走り去る後姿に俺もお前のこと大好きだ、と叫んでやったが結局振り向いてはくれなかった。


まぁいいやどうせ俺のこと好きなんだろうし。





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