「ごめんなさい」


何度目かもわからない謝罪を口にすれば「気にするな、」とお世辞にも優しいとは言えないぶっきらぼうな口調で返された。
手持ち無沙汰で、宙に浮いてる自分の足を意味もなくぶらつかせたりしたけど、申し訳なさと不甲斐なさの入り混じった感情は消えてくれることはない。
私ってばなんでいつもこう…迷惑ばかりかけてしまうのだろう。
勢いを付けすぎて足首が曲がりずきり、と痛みが足首あたりに広がった。まだまだ自分であるけそうもないな。



「ごめんね、いっつも足引っ張ってばかりで」



「うん、お前とことんドジだもんな。でも」



でも、と再度口にした竜斗はそれから押し黙ってしまった。
でも、なんなんだろう。曖昧に濁されて後味が悪い。ちょっとだけ竜斗の首に回っている自分の腕に力を込めて先を促してみる。ちらりと横目で私を見る竜斗と至近距離で視線が混ざって胸のあたりが萎縮するような感覚に陥った。胸が躍動する?早鐘をうつ?まぁ要するにどうしようもなくドキドキする。



「お前は頑張ってると、思うぞ。すごく。俺はそういうやつ好きだ」



ああもう、これはもうドキドキなんてレベルじゃない。呼吸が苦しくなって顔から火が出そうだ。
もうちょっとはっきりした言葉が欲しかったなんて贅沢なこといえなくて「ありがとう」と小さくお礼を述べるだけ。
気恥ずかしくって竜斗の首に顔を埋めてみた。あ、でもこうするほうがもっと恥ずかしいや。どうしようか離れようか。…うんしばらくはこうしていよう。もうちょっとしたら離れればいいや。










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