「寝るなよ、」



ゆるゆると閉じかけた目を頑張って持ち上げるそうすればまるで子供を褒めるように優しく頭を撫でられた。そんな子供あつかいされても嬉しくないけど、沈みかけた意識を再び落とすのには充分だった




「だから寝るなって」



「ん、」




むぎゅうと頬を引っ張られて無理やり起こされた。折角人がいい気持ちで睡魔に身をゆだねようとしてたっていうのに、赤くなった頬をさすりながら覚醒しきれない顔で睨みつけてやったら、まぬけ面、くすっと馬鹿にするように笑われる始末。さすがにイラっときた






「マーク、私は今すっごく寝たい気分なんだって」




「そう、でも寝られると俺が面白くないから」




「いじわるしないでよ」




「俺と寝てくれるなら話は別だけど」





どうする?と可愛らしく小首をかしげるマークは最高の笑みを湛えてるこの変態、と悪態をつけば笑いながら驚くほど自然な動きで手首を掴まれた。でもその後は押し倒そうともキスしようともせず私を無言で見つめるだけ、このあとの展開をなんとなく予想してただけにん?と首を傾げれば至極楽しそうな笑顔で口を開いた





「別に厭らしい意味で言ったわけじゃないんだけどなぁ」




「え、」




「ねぇ、どんなこと考えたの?」





わざとらしく耳元で囁くマークの頭を一発殴りたいのに手首はもはや彼に捕まってしまっている。こいつ絶対確信犯だろ!有無を言わせぬ顔で迫るマークに抵抗らしい抵抗ができるはずもなくぽてん、と二人そろって床に倒れこんだ




「ちょ、ちょっとマーク!」





いつのまにか手首を掴んでいたはずの彼の手が私の背中に回っている。首に顔を埋めるマークの頭をぱしぱしと叩くもべろり、と首を舐められれば力が抜けてマークの髪を掴むかたちになってしまうえ、なにこれ誘ってるみたじゃない自分のしてることが恥ずかしくて手を離そうとしても首からの刺激を受けるたびに無意識に力が入ってしまう





「あーあ、こんなに可愛いのに」





ふっと首から顔が離れて唾液の付いた首がすーすーとするありがたいけど、いつも肉食獣なみにがっついてくるマークがこんなに潔いことが不思議でならないていうかなんか悪い予感しかしなのは私だけだろうか?



抱き合ったままお互い向かい合えばマークの顔がずい、と近づく。近い、と口を開こうとすればまたもべろり、と唇を舐められた。ふ、と憂うように細められた目に一瞬心ときめいたのはしょうがないことだと思うでも、そんなときめきも次のマークの一言で見事に砕け散った





「女の子の日ってほんと面倒くさいよなぁ」




「こんの変態マーク!!!」













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