「テレス、私悩みごとができた」


は?と訝しげにこちらを窺うテレスはもともとの顔のせいもあるがすごく不機嫌そうだそんな顔されるとなんか言いにくくなってしまうもじもじしている私にイラついたのか先程よりさらに凄みのある顔で、なんだよ、と聞きかえされる




「あ、と、まぁいろいろ悩みのようなものが、できまして…」




「だからその悩みを聞いてんだろ」




「うん、そうだねそうだった、」






意味わかんねぇ、と呆れたように息をはくテレスだけど、私だってこういうこと言うのあんまり慣れてないというか、そもそもこんなことを当の本人に言うのもちょっと抵抗あるし…いやいや、ここで逃げたらダメだ!





「おい、いいかげんにしろよ」





ぶつぶつ、と自問自答を繰り返す私に今度こそ痺れを切らせたテレスの低い声が体に響くやばい、怒ってる…テレスすっごく怒ってるよ。いまだ踏ん切りのつかない自分に焦ってじわじわ目が熱くなる

これじゃ本当に嫌われちゃうじゃないか、言わないで嫌われるなら、言って嫌われるほうがましだ誤魔化すように自分に言い聞かせ、意を決して口をひらく






「テレスっ、は私のこと好きじゃない…のかな、と」




吃驚したようにまばたきするテレスあーすごく恥ずかしい





「友達に、キスしたの?って聞かれて、まだだよって言ったらそれは遅すぎるって言われて…」





「……」





「そ、それだけじゃなくて私小さいし、テレスはでかいから釣り合ってないじゃない?」





「それが?」





「いや、そんなに体格差があると、こ、恋人として…することもできないんじゃないかと」






恥ずかしくて語尾が小さくなるありえないくらいに顔が熱くなってあわあわと両手で押さえるどうしよう、言ってしまったこういうのは男の人は面倒くさいと思うらしいさっきは言って嫌われたほうが…とか思ってたけどやっぱり嫌われるのは無理





恐る恐る顔をあげるテレスはといえば、なんというか変な顔をしてた。赤い顔してるのに眉間に皺がよってるしいつもは思ったことはなんでも言うくせに、今はもどかしそうに口を開閉している





「テレス?」




そう名前を呼んだとき、いきなり頬を掴まれて浮き上がるんじゃないかと思うほど上に引っ張られたぎちぎちいう首なんてお構いなしに口を塞がれる





「俺は、ちゃんとお前のことを好きだ、それに出そうと思えばいつでも手を出せる」




心臓が怖いくらいに躍動しているお互い真っ赤になりながら向かい合っていればどこからかヒューヒューと茶化され、ハッとして我に返れば周りにレオーネやらがニヤニヤしながらこちらを見ていたしまった、と思ったときにはテレスはわなわなと震えてて




照れ隠しなのかなんなのか、レオーネたちに何か怒鳴ってから私の腕を掴んで走り出した気分はさながらハネムーン、かな






「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -