たとえば君が俺の隣から消えることがあれば、俺は泣くし、悲しむんだ。でもそれと同じように秋が消えても悲しくて虚しいんだ。フェミニストと言われるかもしれないが、俺が大切に思うのは君と秋なわけで、博愛主義というわけじゃない。ただ、君にキスするのと秋にキスするの、どっちが幸せか、と問われれば、どっちも幸せだと答えるよ、俺は。愛の理論とすれば一人の人を愛すのが定理だけど、俺は二人を愛したいっていえば分かるかな?欲張りかもしれないけど、愛して、愛されたいと俺は思っている。でもね、秋は俺を愛してくれないんだ。望んだものが返ってこないなんて悲しいだろ。二人を均等に愛してあげてるのに、何が不満なんだろう。「それは愛じゃないよ」なんて秋は俺に言うんだ。おかしいよね?だって当の本人の俺が愛してるって言ってるのに。俺の隣にはもう君だけだ。もちろん俺は君も愛してるけどさ、やっぱり二人とも愛してるんだよ。それでも君への愛も本物だから。お願いだから君だけは俺を見捨てないで。





第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -