「先輩は俺のことなんにも分かってないですよね」



無感動に無表情に無関心に呟かれた言葉に視線を落とす。目があっても揺れ動かない瞳に若干寒気がしたそのままぐるり、と背中に手を回されてぐっと距離が狭まる

「虎丸?」

「なんで分からないでしょうね、俺が先輩を好きだってことは分かるくせに」

「な、んのこと?」




ぎちぎち、と締め付けられて背骨が悲鳴をあげる背中を這う手が服に入ってきてこれはマズいのでは、と必死に身を捩じらせるがそれも虎丸の力には敵わない








「俺、結構大人なつもりなんですよ?」



「大人じゃない、まだまだ子供だから」





ふ、と虎丸の瞳に影がおちたあれ?私まずいこといってしまった感じだろうかぴたりと止まった動きが嬉しいのにいやな汗が流れる









「やっぱり、先輩は俺を分かってない」








ぐるり、世界が反転する










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