「ポッキーゲームをやろう」



何それというみんなに素晴らしき日本の合コン文化を説明してあげた。さすが思春期男子といったところか食いつきもよくノリも良かった。テレスは若干不機嫌だったけど。


「んじゃ、誰と誰がやるか決めようぜ」


「でも女子ってこいつくらいしかいねぇじゃん」


「じゃあ、こいつと誰かがやるってことで」


「えー私決定なの?」



男同士がやってるのみたいのか、と聞かれては断ることができなかった。さっそくみんな集まってじゃんけんを始めたが、負けた人が私とポッキーゲームってなんていうか…罰ゲームみたいで嫌だ。せめて勝った人とかにするとかの配慮をして欲しい。




「よし、決まったぞ」



やっときまった犠牲者?いや当選者はテレスだった。相変わらずムスっとしながら渡されたポッキーを凝視している。そんなの嫌だったのかな?でも決まったことなんでやってもらうからね、といえばしぶしぶ私の口にポッキーを突っ込んだ




「ほらテレスもそっち食べてよ」



「マジでやんのかよ」



「まあまあ恋人同士なんだから、他の奴とやんないだけマシだと思ってよ」




ぽりぽりとポッキーを食べながら先端を差し出せばテレスはおずおずとそれを口に含んだ。ポッキー一本分の距離って以外と近かったんだ、とテレスをじっと見ていれば視線だけ逸らされる。周りではみんなが早くしろよ、と野次を飛ばしながら見物を楽しんでいらっしゃる。




「と、とりあえずこれを食えばいいんだよな」




小さく頷けばテレスが器用にポッキーをくわえたまま深呼吸を繰り返し、やっとポッキーを一齧りした。いや一齧りってレベルじゃない。




「ちょ、テレスっ」




あと少し残っていた一欠けらも私の唇ごとテレスに呑み込まれた。驚いて開いた口に舌が入ってきてご丁寧にポッキーを二欠片おき、一瞬だけ私の舌と絡めとって出て行った。唖然とする見物人なんて眼中にないのか「続きはあとでな」なんて平然と言ってのけるテレスに今更だけど羞恥心がこみ上げる。だって…さっきまで照れてたのにいきなり、なんでいきなり積極的になるの?




「ポッキーゲームって他人にイチャイチャしてるのを見せ付けるゲームなのか」



「ち、違うから!」



真顔で聞いてくるレオーネの言葉に必死で弁解しておいた





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