彼女にFFI出場が決まったことを伝えた。彼女は微笑んでおめでとうと祝福の言葉を口にするがどこか寂しげだった。理由は彼女の体のことで、体の弱い彼女は私の応援にくることができない。



「エドガーの応援に行きたかったなぁ」



「テレビの前で応援すればいいじゃないか」



「でもさ、やっぱり試合前とかに直接伝えたいじゃない」





それにエドガーすぐ女の人口説くじゃない。冗談まじりに言う彼女の言葉に反論できるわけがなかった。誤魔化すように笑ってからベンチを立てば「あ、」と思い出したように彼女が言葉を発した




「もしかしたら私、応援にいけるかもしれない!」




至極嬉しそうに顔をほころばせる彼女にそんなことできるはずないだろう、と言えばもしかしたらだよ!と力強く返された。ベンチから立ち上がり両手を伸ばし空を仰ぐ彼女の顔は清清しい青空に良く映えている。




「うん、私エドガーの応援に行くから」



「だから、そんなの君の体じゃ無理だろ」



「ううん、この空を飛んでいってきっと応援にいくよ」





くるくる、と回る彼女の言い方が妙に含みをもっていて不安になる。無理してこなくていい、と言っても彼女は行くの一点張り。空を見上げる彼女の瞳は迷いもなく晴れやかだ





「頼むから、来なくていいから」


「ごめん、そのお願い聞けない。絶対見に行く」



最後に一回くらいエドガーのかっこいい姿を生で見たいの、無邪気に微笑む彼女に神は翼を与えるのだろう。そんなこと私は絶対認めはしない。だからといってそれを止められるほど私に力なんてないのだ











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