蹲り泣きじゃくる彼女の背に手をおき宥めるようにさする。小刻みに震える背中はあまりにも小さくてとても弱い存在に感じてしまう。彼女は強かった。いつも笑顔で、顔にできた痣なんて気にならないほど元気で。強かった。




「みんな私のことなんて、大嫌いなんだ」



嗚咽交じりに繰り返される嫌い、嫌い、嫌い。かみ締めるように憎らしげに吐かれる言葉は彼女と俺の耳にしか届かない




「私を嫌いな人なんて大嫌い」



いつの間にこんな歪んだ彼女になってしまったんだ?原因なんて分かっているけど子供の俺にはそれをどうするなんてことはできなくて。他の大人に相談したところで彼女がもっと壊れるだけなのは目に見えてる





「俺はお前のこと好きだ」



「嘘、」



「嘘じゃない。俺だけはお前のこと好きだ」





我ながらずるい奴だと思う。だけどこうすれば彼女は俺に依存してくれてる。彼女のすべては俺になる。子供ながらの独占欲に身をゆだねながら彼女を力強く抱きしめた



「だからお前を好きな俺を好きになれ。」









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