消えないように抱きしめて




貴方と初めて会った時、
太陽のような人だと思った



それは、外見だとか髪の色だとかそういう単発的に出て来るような言葉で表せるような比喩の表現ではなく、
それはきっと


『あー、君が鈴木君?』


身体を緊張でガチガチと震わせる俺の前に、ド派手な道化師の衣装を身に纏った貴方の


『まぁとりあえず固っくるしい前置きはなしにして、』


貴方の


『ようこそ、ヤツドキサーカス団へ!!』


眩しいくらいの、
何色にも染まらない輝く笑顔がそこにあったから。


だから俺はあの時からその笑顔を、
それだけじゃない、貴方自身を守りたいと本当に思ったんだ


きっと本人に言ったら馬鹿にされる。小突かれて、冗談は寝て言えと鼻で笑われるだろう。
だけど本気なんだ。
俺は貴方のその全てを自分のこの手で包んであげたいと、冗談なんかじゃあなく本当に。

でもきっと貴方は不安だろう。俺のこの頼りない腕はまだ貴方を支えるには脆く、もしかしたらそのせいで貴方を傷つけてしまうかもしれないから。
だけどそれでももし貴方がこの手を掴んでここにいろと、何でもいいから傍にいろと言ってくれるなら、どんなことがあっても俺は貴方を守るから


だからお願いします
どうかどうか


『これからよろしくな!』

あの時と同じそのままの、眩しい笑顔のままの貴方で


消えないように抱きしめて
(抱きしめ貴方を引き寄せたら、貴方の笑顔が近くになった)
(それが俺にとって酷く、嬉しくてしかたないんだ)



[ 1/3 ]
[prev] [next]



Back


「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -