無印 | ナノ

ぬるいけどR18
名前出てこないけどマルコが女の子でラファエレが最低





かの有名なフロイト先生は「リビドーとは性的衝動を発動させる力である」と言った。今ではそんなのも、様々な欲求に変換可能な心的エネルギーだとか何だとか言われているそうだが、あながちそれは間違ってなんかいないんじゃないかと思う。
そう、これは興味の延長線だ。考えてもみろ。年頃の少年が、普段スポーツやら趣味やらで発散しきれないエネルギーをどこへ持っていくかなんて。そんな事一回りも二回りも華奢な、それはたいそう可愛らしい女の子が頬を赤らめて弱々しく抵抗しようものなら、考えるまでもないということだ。
下世話な話だが、俺は限りなく勝ち組街道を走っていると自負できる。それくらい彼女は可愛い。惚れた男の目があるから、なんていうそんな理由からなんかじゃ絶対にない。絶対にだ。断言できる。

「ねえっ…もうやめようよっ、無、理だって」
「うん、ごめんな?」

シーツの上に転がした体躯は絹みたいに白くて、その肌が薄く色づいているのを見てしまったら、後にはもう引けなくなってしまう。今も小さく震える彼女は細くて柔い、折れてしまいそうな腕で俺の胸元を弱々しく掴んで、涙目でいやいやと訴えてくる。今までの反応から本当に本心から拒否しているのは分かっているけど、そんな小動物みたいななりで拒否されても、逆にこちらを煽るだけだというのに。

自分が原因であると分かりつつも、そのいじらしい様子に思わず場違いな笑みが零れた。それを見た彼女が照れ隠しでもするかのように、怒ったような驚いたような表情を見せる。泣いたり怒ったり驚いたり、そんなコロコロ変わる百面相を流しながら、目元と同様にぐずぐずになってしまっている秘部から指を引き抜いた。覆いかぶさった下で小さく響く悲鳴と独特の匂いと共に、鮮血が指に絡みついているのが見えて今までにないくらい興奮する。ああ最低だよ、何とでも言え。

生理中の女の子を犯すのって、何だかすごく禁忌に思えてそれが一層興味をそそる。
大体そんなところだった。そりゃあもちろん本人の合意の上で事を運ぶだなんて無理に決まっているのだから、どこか強姦じみたやりとりになってしまうのは承知の上だった。しかし、何というか半分くらい冗談のつもりだったのだ。なのにいざベッドの上に押し倒してみればどうだ、冗談でやめるつもりだったというのに、抵抗されることすらただの興奮材料にしかならないじゃないか。

自分で言うのもなんだが、つくづく男という生き物は本能に忠実な生き物らしい。今まで鳴りをひそめていた欲求衝動エトセトラが、理性という薄い皮一枚をたやすく破ってしまったのだった。

今も生まれたばかりの動物のように震えたまま大きな丸い目に涙をいっぱい溜めて、なす術なくしゃくり上げるその姿の、なんとまあ可愛らしいことか。いつもとは勝手の違う状況への緊張感からか、額に玉のように浮かぶ汗を汚れていない方の手で優しく拭ってやる。その手に少しばかり安心したのか、彼女は短く途切れさせていた息を整えるように、ひとつ大きく息を吐いた。それも長くは続かなかったのだが。

「ごめんな、ちょっと我慢してくれ」
「ぇ…、いっ!?」

安堵も束の間、僅かに緊張の解れたその一瞬のうちに、血液で濡れそぼったそこに容赦なく自分のものを突き入れた。
途端に、華奢な身体はいきなりの事で驚いたかのような悲鳴を上げる。抱きしめた彼女をなだめるように、ふわふわの髪をゆっくりと撫でた。

「っは、すっげ…全然違う」
「な、で……ひっ、どいよぉ……」
「ごめん、でも痛くないだろ?」
「ぅ、あ……んんっ……」

ぎゅっと抱きしめてできるだけ優しく言葉を落とせば、まだ順応しきれていないのか涙声が返ってくるばかりだ。でも思っていた通り、血液が上手い具合に潤滑剤の役割を果たしてくれているようで、緩く抽挿をすれば耳元で漏れる声は次第に甘さを孕んでいった。
さっきまでの抵抗ぶりはどこへやら、こうなるとただされるがままになるしか無いのだというのが感じ取れる。その証拠に制服のベストを掴んでくる両手は藁にも縋るような手つきで、無意識に一層俺を興奮させた。口ではごめんなんて出来あいの謝罪を呟いても、頭の中じゃ願ったり叶ったりなこの特殊な状況を、できる限り楽しみ抜いてやろうという下衆な思考ばかりが占めていく。

「ら、ふぁ……ぅあっ、あ」
「…あーもう、可愛い、やばい」
「あぅ、あっ……?」

中はどろどろのはずなのに、形を覚えようとするみたいにきゅんと締め付けてくる感覚に背筋が震える。おそらく無意識なのだろうけど、逆にそれが従順で、可愛くって仕方がない。頑張って名前を呼ぼうとしてはつかえてしまう様子に、まともな考えなんてできなくなっていく。
シーツに仰向けになっていた身体を、脇に手を入れる形で抱き起す。もっとしっかりと抱きしめたくて、向かい合う形になった。角度が変わった事で小さく喘ぎ声を漏らすその一つ一つの挙動さえ、包み込んで抱きしめて存分に愛で尽くしてやりたいと思った。下腹部に沈んでいく動物的な衝動やら何やらも、所詮は愛あるからこそだなんて、そんな安っぽい言葉で肯定した。もともと無いような語彙に、追い打ちをかけるように今は頭の中が動物のそれと一緒なのだ。

「やっ、だよ…よ、汚れちゃうから…っ!」
「大丈夫、どうにかなる、多分」
「多分…って、あ、やああっ」

胸元に縋りつく身体をぎゅっと抱きしめて、ただ思い切り突き上げる。慈悲も何もあったものじゃない。そんなことは分かっていても、頭を占める動物の気性が牙を剥いて、人間の俺を食らっていく。止まれないものはしょうがないじゃないか、なんて言ったら許してくれるだろうか。いや無理だろうな、きっと。
この期に及んで制服の心配か、なんて言うだけ無駄である。そんな無駄口を叩ける余裕も一瞬で打ち砕かれたようで、腕の中で鳴く細い身体はひきつけを起こしたかのように震えが止まらなくなる。それが腿にまで伝わってきた。彼女が声を上げる度に、ぎゅっと掴まれた制服のシャツは皺を深くしていく。この場を占める高い声と重く響く水音が、俺の耳をひたすらに殴った。

「ひっあ、ああッ…あっもう、」

肩口に額を押し付けてかぶりを振る。何だ、流されてるのかもしれないが結構ノリノリじゃないか。
その動作とか高く引きつった声とか内側の収縮とか、そういった諸々一切の情報でもう彼女にも限界がきていることが分かった。そんな状態の彼女を抱き込んでそんなに我慢できるはずもなく、俺もあっさりと限界まで上り詰めてしまう。逐一衝撃に大げさなくらい反応を見せる様子が今さらながら可哀想に思えてきて、いたわる意味も込めて掻き上げた額にキスを落とした。

「俺も、もう無理…っ」
「やあっ、ひ、あ…!」

吐精感が駆け上がってくるのを何とか堪え、寸前で引き抜いて手の中に精を吐き出した。引き抜かれた時の衝撃で彼女は達してしまったようで、一瞬びくっと震えた後に悲鳴みたいな声を上げて、抱きしめられたままくたりと弛緩する。顔を押し付けられたシャツが涙で冷たくなっていくのが分かった。
お互い犬のような浅い呼吸を繰り返しながら、気だるさに身を委ねようとしたその時。足元に暖かい液体がじわりと広がっていくのを感じて、思わず青ざめた。

「あ、…やべ」
「…え、っうわあああ!だ、だから嫌だったのに…!」
「悪かったってば!あーもう、謝るから…」
「やだやだ、馬鹿、ラファエレのばかあ…」

眼下の惨状に、今度こそ本気で泣きだしてしまった彼女を撫でながら、血液で汚れてしまった制服の行く末について鮮明になってきた頭でぼんやりと考えた。
一時の衝動に身を任せるとろくなことが起きないのか。でも内心そんなこと簡単に跳ね除けてしまえるくらい、いつになく満たされた気分でいたことは本人には秘密である。さっきから口先だけの謝罪ばかり呟いているなあと思いつつ、心の中で一つの答えを出した。

フロイト先生。結局男は、みんな動物みたいです。



::120223
去年の二の舞でまた乗り遅れました。もう黒歴史を刻む日で良くね?

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