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Q.霧野先輩ってどんな人?


A.
▽神童君の場合
「霧野は俺の幼なじみで大切な親友だ。ちょっと変わってるところもあるけど…それでも良い奴だよ。
え、変わってるところ?ええと…昔、小学生の時にな、サンタさんについて何だか壮大な作り話をされて…あまりにも真面目な顔で話すからしばらく本当だと思ってたんだが……
何でも『サンタ=クロース』っていう組織にたくさんのサンタさんが収容されてて、24日には隠密行動の試験をさせられてるとか…彼らは読心術を使えるように訓練されてて子供の欲しい物が分かるんだけど、未熟なやつは間違うとか。子供にプレゼントを配るのは幼い頃からサンタの存在を信じさせて、将来組織に連れて行かれる時に抵抗しないようにするためとか、軍事利用されてるとか……
おかげでしばらくクリスマスが怖かったよ」

▽倉間君の場合
「霧野?まあ変な奴だよな…普通に見えるんだよ、普段は。でもたまに真顔で変な事するから怖ぇんだよな。大概被害者は神童だけど。
一年の時に同じクラスだったんだけど、雪降ってる日があったんだよ。しかもその日は卓球の授業で屋外の卓球小屋に行かなきゃならなくてさ。
誰も寒くてジャージ着るだろ。だけどあいつグラウンドでいきなりジャージ脱いで半袖になったんだよ。当然皆驚くだろ?俺もびびった。そしたら霧野、いきなり隣の神童のジャージ剥いで半袖にしてさ、『行くぞ神童』っつって神童の手引いてグラウンド走り出したんだぜ?半袖で。意味分かんねーよ。もちろん次の日風邪ひいてたけどな。神童が」

▽浜野君の場合
「霧野のこと?面白い奴だよな!霧野が何かしてんなーって思うと大体面白いことしてるから飽きないっちゅーか。
あ、あれウケたな。前部活の時、霧野が弁当作って来られなかったらしくてさ。でっかい弁当箱にご飯だけ詰めて来てんの。神童なんかは自分のおかずやろうとしてたんだけど、霧野はいいよって言ってて皆大丈夫かな?って思ってたんだよな。
そしたらさ、霧野何したと思う?自分のペットボトルの麦茶ご飯にぶっかけて『お茶かけ』だぜ?それで真顔でガツガツ食ってんの!あれはマジで笑ったわー。お茶漬けじゃなくてお茶かけ!くっ、思い出すだけで笑えてくる。
倉間なんかは犬のエサって言ってたし皆ドン引きしてたし神童は半泣きだったけど、あれで霧野は俺の中で勇者になったな。後で同じ事してみたけど、ただのビチャビチャご飯だったし」

▽三国さんの場合
「霧野は基本的に真面目な良い奴だな。練習も一生懸命やってるし、可愛い後輩の一人だ。
…面白いエピソード?面白いというか、変な伝説はたくさんあるな…
俺は傍から見ていただけなんだが、去年の体育祭の準備の時、サッカー部はグラウンドの草むしりをやってたんだ。そしたら霧野がでかめの雑草抜いて、隣の神童に『見ろ神童。ラピュタ』って言ってたのには思わず笑ったな。
あと音楽の授業の時には執拗に猫ふんじゃったを弾いてくるとか…しかも一番低い鍵盤で。段々速くなるんだそうだ…『言いたいことがあるなら言ってくれれば良いのに』って前に神童に泣かれたよ。神童も色々苦労してるんだな…」

▽南沢さんの場合
「霧野ね…忘れられないのが虫眼鏡だな。
去年同じ委員会の時、教室使って集まりがあったんだ。その時後ろで変な臭いすると思ったら、あいつ窓際で虫眼鏡使って自分のペンケース焼いてたんだよ。煙出てたし、なんなんだよ…
その後は霧野が変なことしないように後ろの席に座ることにしたんだけど、別の時にはあいつシャーペンの芯をカッターで削ってた。鉛筆じゃない。シャーペンのをだ。尖端が鋭くなったら満足してたけど、やっぱりあいつ分かんねえわ」


「霧野先輩ってすごい話がいっぱいあるんだね」
「にわかに信じがたい話もあったね…」
「何してるんだ天馬、信助?」
「あっ噂をすれば」
「霧野先輩、最近何か面白いことありましたか?」
「面白い事?そうだな…別に面白くはないけど、この前ふと思い立ってレディスデーの映画館に入ったら普通に観られた」
「…霧野先輩、女の子に間違われるの嫌って言ってませんでしたか?」
「ああ、だからあんま嬉しくなかったけど。安く観られたから別に良いかって」
「何でまた急にそんな事思い付いたんですか?」
「さあ?急に何となく。どうなんのかなって思って」
「…やっぱり霧野先輩ってよく分からないです…」
「ハハッよく言われる」


自覚済み霧野さん。

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拍手ありがとうございました。
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