「180.………7。」
「ぐわぁぁぁあああああ!!7ミリ!!7ミリも伸びてる!!」
本日は身体測定。
私は先生の口から告げられる残酷な結果に絶叫中。
「冴木身長が高いなぁ。ハハハ。」
ハハハ。じゃないよ先生!!
はぁ、ため息をして計測器を離れて結果をカードに記入する。
すると横から、
「164.0。」
なんてかわいらしい数字が聞こえる。
うらやましい。
私もそれくらいの身長が良かった。
「伸びてねぇー!!」
半ば悲鳴のように聞こえるそれは男の子の声だった。
だれだか確認しようと隣を見たら同じクラスの田島君。
とぼとぼと田島君はこっちに来る。
そして私を見上げる。
「冴木って身長たっけぇ〜!!」
そう言ってキラキラした目で私を見る。
「いいなぁ、うらやましいっ!!」
ニカッと笑う彼に自然と笑みがこぼれる。
「私は田島君の身長がうらやましいよ。」
笑いながら話してると後ろの方から、

「でっけ〜なにあれ、ホントに女?」

なんて言葉がクスクスという笑い声とともに聞こえてきた。
ですよねぇ〜私もそう思いますよ。
でも成長って止められないじゃん?
とか思ってたら、
「おい。」
田島君の声がそこらじゅうに響く。
「お前ら失礼だろ!!冴木に謝れ!!」
「え?」
何が起きてるの?
私の矮小な脳みそでは理解できなかった。
「お前ら冴木謝れよ!!」
あ、田島君は私のために怒ってるのね。
「いいよ。田島君。気にしないで。私こうゆうこと言われるの慣れてるから。」
私がそう言うと田島君に怒鳴られていた連中が、なんなんだよとか何とか言いながらどこかに消えて行った。
「冴木慣れてるってどうゆうことだよ。」
「中学校の時からあんなのに似たような言葉言われ続けてきたからね。」
「それでも慣れちゃダメだろ!!イヤなものはイヤって言えよな!!」
なんて田島君は私を叱る。
はは。田島君っていい人なんだなぁ。
「了解。」
私がそう言うと彼はニコッと笑った。
「次、あんなこと言われたら必ず俺に言えよな!!ゲンミツにこらしめてやるから!!」
そう言う田島君がやたらキラキラしているように見えた。
「ありがとう。」
今この瞬間、私のヒーローが誕生した。





 





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たぶんこの後恋に発展するんだろうなぁー
とか思ったり思わなかったり


回遊魚

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