「壱さん、好き!!大好き!!」
そう言って利央は私のことを後ろから抱きしめてくる。
「私はそんなことないから。」
ウソ。
ウソだよ利央。
「えぇ〜。でもオレ、壱さんのことすっげぇ好き。こうしてるだけで幸せ。」
「私はうっとおしいって思ってるよ。」
ウソです。
私も幸せです。
「壱さんって素直じゃないよねぇ〜」
「悪かったわね。」
「でもそんなとこも可愛い。」
ニコッと可愛らしく笑うもんだから私の胸に罪悪感の芽が顔を出す。
「なんだかんだ言ってオレのこと拒まないしさ。」
「めんどくさいのよ。」
「まぁ、なんでもいいや。いつかオレの方振り向いてね。」
そういって彼は部活へ行ってしまった。
いつかはきっと来ないよ。
そう思いながら彼の背中を見送る。
きっとあなたの想いに応えたら私が私でなくなってしまう。
それが怖い。
だからもう私に触らないで。
ウソを突き通すのは大変なんだから。





ホウセンカ私に触れないで





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素直すぎる利央に心を開くのが怖い。
自分が恋してるってわかってても、
互いが両想いだってわかってても、
今の状態が壊れてしまうのが怖い。
そう思ってる臆病なヒロイン。
でも、利央はちゃんとヒロインの気持ちをわかってます。


回遊魚

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