隣の席の冴木さんは今日も寝ています。
昨日も寝てたし一昨日も、その前も寝てた。
ようは毎日授業中寝てるのです。
幸せそうな顔をして。
まつ毛長いなぁ。
ほんの少し開いた口からは規則正しい寝息が聞こえる。
キーンコーンカーンコーン
授業終わりのチャイムが鳴ってもまったく起きる気配がない。
「沖ー冴木起こしとけよー」
教卓の上を片付けた先生はオレにそう告げて出て行った。
冴木さんの隣になってからそれが仕事みたいになってきている。
「冴木さん。授業終わったよ。」
声をかけるだけじゃ起きない。
「冴木さん。」
肩を揺らしながらそう言うと、
「ん……ふぁー」
欠伸をしながら起きる。
「おはよ。」
「あれ、沖、おはよう。授業終わったの?」
「うん。」
「そっか。」
彼女はグーっと背伸びをした。
ポキポキポキと音が鳴るのが聞こえる。
「今なんの授業だった?」
「世界史だよ。」
「まじかぁ。沖、ノート貸して。」
「人に借りるんなら授業頑張って起きてなよ。」
「う〜ん、考えとく。」
そう言う彼女にノートを差し出す。
「ありがと。」
彼女がノートを受け取った時、
ちょん
と指が触れた。
その瞬間、一気に熱が触れたところに集中していく。
「沖?どうかした?」
「な、んでもない。」
自分の顔が熱くなっていくのを感じる。
これってもしかして………





ライラック恋の始まり





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恋に気づく瞬間


回遊魚

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